異色ゴルファー、金田愛子が初の首位
ゴルフを始めたのは18歳から。学生時代は父の勧めで、将来的にゴルフに移行する前提で軟式テニスに打ち込んだ。当初の予定は中学3年間限定だったが、「楽しくなっちゃって、高校3年間もテニスを続けた」という。3学年時には岡山県代表として国体にも出場。「(国体から)帰った翌日にクラブを買いに行った」という異色のゴルファー金田愛子(31)が、今週開催の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント」初日に「67」をマークし、不動裕理と並び5アンダー首位タイに立つ好スタートを切った。
05年のプロテストに合格するが、以降はレギュラーツアーでは結果を残せず、これまでの最高位は今年の「ヨコハマタイヤPRGRレディスカップ」の22位タイ。さらに今シーズン前半には、オフのハードトレーニングが祟って左ひじを痛め、「クラブを握れなかった」とプレーもままならず1試合を途中棄権、2試合を欠場。6月から8月にかけては6試合連続で予選落ちを喫するなど、苦しい時期が続いていた。
しかし今は、「最近はケガも完治して楽しくラウンドできています」とプレーに支障は無い様子。「今日はパットが良かったし、ショットはリズムだけを意識して良い感じで振れていた」。その状態は、ツアーで自己ベストをたたき出したこの日の結果を見ても明らかだろう。
同年代の永井奈都が、先週の「マンシングウェアレディース東海クラシック」でツアー初勝利を遂げたことも起爆剤となったのか。昨日は永井と友人を交え、ささやかな祝勝パーティを開いた。その中で、永井から初優勝に関するいろいろな話を聞き、「すごく刺激をもらいました」。さらに同期には、上田桃子、飯島茜、諸見里しのぶら、錚々たる面々が揃い、身近に多くの目標たちがとりまいている。彼女たちの背中はまだ遠い先にあるが、「ガンバレ77期生、という感じですね」と自らを鼓舞していた。
金田は言う。「ケガも治って楽しくやれていることで、最近はゴルフが変わった。楽しくやれれば、(スコアが)出るかな、とは思っていた」。テニスの楽しさに浸りながら、トッププレーヤーとして過ごした高校時代。何ごとも“楽しさ”が金田の推進力になっているようだ。残り2日間も、同じ気持ちを保てるか。金田の今週を左右する要素の1つとなりそうだ。(宮城県利府町/塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。