国内女子ツアー

選手の力を引き出すハードセッティング

2008/09/14 18:00
そびえる砲台グリーンと深いバンカーが選手達を苦しめた

131名の選手が参加した今年の「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」で、4日間の戦いを終えてアンダーパーでラウンドした選手は、最終日最終組の辛ヒョンジュ横峯さくら、申智愛の僅かに3名のみだった。

深いラフに、あごの高いバンカー。落下地点が絞られたフェアウェイと、距離の長いホール設定。そして、待ち受ける砲台グリーン。選手達は方向性だけでなく、縦の距離感も求められ、さまざまなバリエーションのショットも要求された。

最終日、この罠にはまった三塚優子は、8番パー4で「11」の大叩きを演じている。最後まで“何が起こるか分からない”緊張感は、優勝争いを大いに盛り上げたといえるだろう。

普段は通常営業との兼ね合いもあり、これほどラフを伸ばす事は難しいが、今大会は日本女子プロゴルフ協会が主催し、会場となった片山津GCも50周年事業の一環として非常に協力的だった為、これだけの素晴らしい舞台が整った。

やはり、今年の「全英リコー女子オープン」を制した申智愛が、実力を発揮して優勝争いに絡んだが、今大会のコース設定を担当した小林浩美氏は、「彼女の強さは世界の様々なコースで戦ってきてショットのバリエーションが多いこと」と分析する。もちろん、日本人もその素養はある筈だが、そこまでの技術を要求されるのは、現状では稀なことだ。

もし毎試合、このようなハードセッティングで日本ツアーが組まれれば、「全米女子オープン」や「全英リコー女子オープン」などの海外メジャーに日本選手が突然出ても、違和感なく勝負出来るに違いない。そんな希望を抱かせる、印象深い大会となった。(編集部:今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka