単独トップを快走するマキロイ
ロリー・マキロイは、彼を取り巻いていた“金曜の悪魔”を追い払い、第143回「全英オープン」2日目にロイヤルリバプールで4打差のトップに立った。
元世界ナンバー1の彼は2日連続で「66」を記録、ここまで通算12アンダーとした。
マキロイは、木曜に良いスコアを出すと、続く金曜は不調と、2014年シーズンはここまで非常に悩ましい習慣がついていた。直近で例を挙げるならば、先週行われた「アバディーンアセットマネジメント・スコットランドオープン」で、マキロイは初日「64」を叩き出した翌日を「78」とした。ミュアフィールドビレッジで行われた「ザ・メモリアルトーナメント」でも同様のことが起こり、大会をホストしていたジャック・ニクラスも「どうしたら初日に『63』を叩き出しておいて、次の日に『78』になるんだ?」と尋ねたという。
7バーディ、1ボギーとしたこの金曜日まで、マキロイの第1ラウンドの通算スコアは50アンダー、第2ラウンドは9オーバーだったが、25歳までに3メジャー大会制覇をという快挙への望みを繋げた。近年それを成し遂げたのは、タイガー・ウッズとジャック・ニクラスの2人だけであり、マキロイは3人目になれるチャンスなのだ。
メジャー大会2日目を終えた時点で、マキロイがトップに立ったのは、2011年の「全米オープン」以来だ。その時、マキロイはコングレッショナルで記録を塗り替える、8打差をつけて初勝利を挙げた。
セントアンドリュース開催の2010年大会日は、ティタイム時のコンディションに恵まれ、「63」としてトップでスタートしたものの、翌日はひどい天候によりスコアを「80」と落とした。
マキロイはこの日、スタートホールの1番でグリーンオーバーさせてボギーを叩いた時は、最悪のケースを恐れるのも無理はなかった。しかし、パー5の5番を2パットのバーディとして再びトップに立つと、続く6番でさらにリードを2打差に広げた。
グリーン上を飛び回るキジが妨げとなっていた8番でさえ、マキロイはさらにバーディを確保。しかし、10番でもバーディで決めたものの、11番では以外にも4フィートから決めきれなかった。
だがマキロイは、15番で同じ距離から決め、その後17番では素晴らしいドライバーショットで400ヤードほど飛ばし、もう1つバーディを奪った。そして最後も4フィートを決めるフィニッシュを遂げた。
「コースの上で心が穏やかなのが分かるよ。今自分自身がやっていること、置かれている立場にすごく満足している」とマキロイ。
「表現するのが難しいね。もっと沢山この状況を作り出せればいいのにって思うよ。けれど一年で何度かはそれができるわけだから、嬉しいね」
「自信と、精神的な強さ、そしてメンタル面の全てを把握している。これらが全て噛み合っているんだ。でもそれは結局、自分の戦い方に自信を持って、ボールをしっかりとコントロールできれば、実際は簡単なことなんだよね」と続けた。
「自分が思うままに受け入れる。今週、ショットを打つ時に頭の中で毎回唱えているキーワードがいくつかあるんだ」
「唱えるたびに頭の中で固定された概念になる。人々はそれを“ゾーン”と呼んでいるけれど、ただはっきりと考えることによる心理状態の変化なんだ」と話した。
「今日良いプレーをできたことは本当に嬉しいよ。だって、もうあのこと(2日目症候群)についてはとりあえず聞かれなくて済むからね。また「WGCブリヂストンインビテーショナル」で良いスコアを出したら、木曜の午後に同じことを聞かれるんだろうけど」
「分かってはいるよ。今シーズン通して2日目の出来は酷いし、それについては何の説明もできないけれど、今日はベッドまで持っていくよ」
一方、タイガー・ウッズは、以前ロイヤルリバプールで勝利を挙げた時の作戦を台無しにするところだった。
ウッズが2006年に、3度目の「全英オープン」優勝をかけて72ホール中たったの1度しかドライバーを使用しなかったのは有名な話であるが、それと同じ姿勢で木曜のオープニングラウンドを「69」で回った。
しかし、最初の2ホールでドライバーは言うことをきかず、17番ホールではさらに酷く、OBを出してしまった。それによって14度メジャーチャンピオンを経験している彼だが、18番ホールでその日初となるバーディを奪わなければ予選通過できない状況にまで追い込まれてしまったのだ。
ウッズは腰の手術から復帰した最初の大会、「クイッケンローンズナショナル」で予選通過を逃してしまった。今大会の最終ホールで6フィートを決め、何とか連続予選落ちは避けることができた。38歳の彼がメジャー大会で最終ホールまでノーバーディだったのは、2010年の「全米オープン」初日以来のことだ。
ウッズは2日目を「77」でラウンドし、マキロイに14打差をつけられいる。同じくアメリカ出身のダスティン・ジョンソンは2日目を「65」とし、通算8アンダーで現在最もマキロイに近い挑戦者だ。
ライダーカップのチームメイトであるセルヒオ・ガルシアとフランチェスコ・モリナリ、南アフリカ出身のルイ・ウーストハイゼンとチャール・シュワルッツェル、そしてアメリカ出身のリッキー・ファウラーが6アンダーで3位タイについている。