2014年 マスターズ

オーガスタで高みを見据えるステンソン

2014/04/09 07:30

欧州ナンバーワンのヘンリック・ステンソンは、今週の成績如何では世界ナンバーワンへ上り詰めるチャンスがあるものの、ゴルフ界の頂点を極めるには、これまで今ひとつ振るわない「マスターズ」の成績を改善させねばならない。

「全英オープン」ではトップ3入り3回、「全米プロゴルフ選手権」ではトップ6入り3回と、メジャーで実績を残しているステンソンだが、オーガスタナショナルでは過去8回の出場で最高位は17位タイと目立った成績は残せていない。

しかし、昨季に史上初となる「フェデックスカップ」と「レース・トゥ・ドバイ」の同年制覇を遂げた38歳のステンソンが、スウェーデン人初のメジャー王者となる気運はこれまでにないほど高まっている。

「今週はトップ10入りでも満足だよ」とステンソン。「トップ10というのは良い成績だからね。ただし、勝ちたいのであれば、もう少し志を高く持たなければならないんだ。去年は『全英オープン』に『全米プロ』と、2度大きなチャンスがあったから、この調子で優勝争いに加わり続ければ、遅かれ早かれいつかはメジャーで優勝できると思う」。

自身の「マスターズ」における成績についてステンソンは、「(良い成績が残せていないことが)いつもここへ来ると、もっと良い成績を残さなくてはと感じることに繋がっていると思う。と言うのも、良いプレーさえできれば、このコースは僕のゴルフに合っていると思うんだ」と語った。

「これまで、ここでは完全燃焼できたことはないと思っているんだよ。初めの何回かは、最高の成績を目指してチャレンジするのではなく、より学ぼうという意識が強かったしね」。

「2009年は良いプレーができたのだけど、土曜にパットの調子を崩してしまい、それで完全に優勝争いから脱落してしまった。ただ、その時、スウェーデンのメディアには、このプレーができていれば、何か大きな達成はすぐそこまで来ていると言ったんだよ。そして何ヶ月か後に『プレーヤーズ選手権』で優勝したんだ」。

「2年前も上位に食い込んではいたけれど、ティからグリーンにかけてのプレーがそれほど良くなかったんだ。でも、そういった悪いラウンドから何かを学べれば幸いだし、今年はこれまでで最高の『マスターズ』にしたいね」。

ステンソンは、欠場のタイガー・ウッズに取って代わり今週世界ナンバーワンの座につくチャンスを持っている3人の選手のうちの一人である。そのうちの一人のジェイソン・デイは優勝により世界の頂点に上り詰めることができ、同じく前回王者のアダム・スコットは3位タイ(2選手まで)かそれ以上で偉業達成となる。

ステンソンは2位タイ(こちらも2選手のみが並ぶ場合のみ)以上で世界の頂点に達することになるが、かつて「ライダーカップ」に出場した彼にとっては、男子スウェーデン人選手として初のメジャータイトル獲得を実現することの方が重要だ。

「勝つチャンスがあれば、ただそれに焦点を合わせるのみだよ」とステンソン。「それ以外のことを成し得たとしたら、それは勝利を狙いにいったことに対するご褒美だよ。大会に優勝することの方が、ランキングで自己最高位を更新することよりも重要なんだ」。

「ただ、もちろん、いつか引退する日が来たとき、世界のナンバーワンになったことがあるというのは、良い響きのするものだろうとは思うよ。それも悪くないだろうね」。

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