「マスターズ」以来のタイトルへ ウィレットが首位に浮上
ダニー・ウィレットが「マスターズ」制覇以来の欧州ツアー優勝へ向け、3打差の首位で「メイバンク選手権マレーシア」最終日に臨むこととなった。
イングランドのウィレットは「マスターズ」を制覇したほか、「レース・トゥ・ドバイ」を2位で終えるなど、2016年はキャリアで最も実りの多い一年となった。
しかしながら、昨季は単に成功譚に終止したわけではなく、最後の13大会でのトップ10入りはわずか1回に留まるなど、ウィレット本人も終盤はシーズン序盤の調子を取り戻すのに苦しんだことを認めた。
それでも「UBS香港オープン」での6位と、クリスマス休暇中のハードワークで自信を取り戻したウィレットは、サウジャナG&CCでの3日間を「66」、「67」、「67」でラウンドし、再び勝者の輪へ加わるべく、ポールポジションで最終日を迎えることに。
ウィレットは通算16アンダーとし、米国のデービッド・リプスキーに3打差、そしてフランスのアレキサンダー・レビーに4打差をつけて日曜のラウンドに臨むことになったわけだが、彼が54ホール終了時点で2打差以上の首位に立ったのはこれが初めてのことである。
「浮き沈みのある一日だった。スタートの時点で『67』を提示されていたら受け入れていただろうね。これでトップ5からトップ6の選手たちを少し引き離すことができたからね」とウィレット。
「今週は大体ドライバーで望み通りの場所へ打てているけれど、それを明日も再現するため、これから微調整を兼ねて少し練習するかもしれないね」。
「正直、明日の天候が穏やかだとすると、どれくらいのスコアで優勝できるのかは分からない。今日みたいに風が強いなかで好スコアを出せる選手はそう多くないだろうけどね」。
「(風が吹けば)1アンダーや2アンダーでも良いスコアといえるから、明日は天候次第だね」。
この日、始めに動きを見せたのはリプスキー。1番でバーディを奪った彼はパー5の3番で2オンに成功してバーディを奪い、3日目を首位で迎えたベルント・ヴィースベルガーに1打差まで迫った。
ウィレットも3番でバンカーからの寄せワンでバーディを奪い、こちらは首位に並ぶも、ヴィースベルガーが4番で3.6メートルのパットを沈め、この日最初のバーディを奪って再び単独首位に立った。
すると、5番ではガードバンカーに捕まったウィレットが、しっかりとスタンスが取れないなか、見事な脱出を見せるも、パーパットを外し、首位との差は2ストロークに広がった。
3番を3パットのパーとしたヴィースベルガーは、パー4の6番を3パットのボギーとし、再びアドバンテージは1打に縮まった。
ヴィースベルガーは続く7番でもボギーを叩き、後続に付け入る隙を見せると、29歳のウィレットがこれに乗じ、同ホールでの2打目をピン側1.8メートルにつけてバーディを奪い、単独首位に浮上した。
一方、リプスキーは寄せワンに失敗した7番をボギーとし、続くパー5の8番はヴィースベルガーが2オン、そしてウィレットとリプスキーが寄せワンと、最終組の3人全員がバーディを奪った。
その後、リプスキーは10番でバーディを奪って首位に1打差まで迫るも、11番ではウィレットが長い下りのスライスラインを見事読み切ってバーディを奪い、リードを2打差に広げた。
ヴィースベルガーは11番と14番でボギーを叩くも、17番でバーディを奪ってバウンスバックした。一方、ウィレットも同じく17番でバーディを奪い、更にリードを広げることに成功した。
最終ホールでは、ウィレットが無罰の救済を受ける幸運を活かしてバーディフィニッシュを決めると、リプスキーもバーディで締め括って食い下がった。
粛々と自分のゴルフを展開したレビーは、3番、8番、13番、そして14番でバーディを奪って上位につけると、最終ホールでは入れれば2位という2.4メートルのイーグルパットを迎えた。これを外したレビーはフラストレーションを露とするも、バーディを奪って「67」をマークし、日曜の午後に望みをつなげた。
通算11アンダーにはグレゴリー・アブレとミシェル・ロレンゾベラのフランス人コンビ、そしてタイのパヌポール・ピッタヤラットと韓国のキム・キョンテがつけている。
ハブレは前後半をともに4バーディ、1ボギーの「33」で回り、一方、ピッタヤラットはノーボギーの「66」をマークした。ロヘンソゼラは2ボギーの「70」、そしてキムは1ボギーの「69」で3日目をラウンドした。
通算10アンダーにはアニルバン・ラヒリとファブリシオ・サノッティがつけている。