ケルドセンがカウンティーダウンで単独首位へ
「アイルランドオープン」は3日目を終え、ソレン・ケルドセンが終盤に躓きを見せるも、2打差の単独首位で最終日を迎える展開となった。
40歳のケルドセンは、寒いながらも日差しのあったロイヤルカウンティーダウンでの一日の大半をノーボギーで過ごしたが、上がり2ホールで連続ボギーを叩いた。
これにより、この日コースレコードの「65」をマークしたマキシミリアン・キーファーと、ラファ・カブレラベローら通算5アンダーで並ぶ後続集団との差がぐっと縮まってしまった。
明日は厳しい天候が予想されるなか、2009年以来ヨーロピアンツアーでの勝利から遠ざかっているケルドセンは、パー4の11番から3ホール連続でバーディを奪って、一気に後続を引き離すかに見えた。
パターが冴えを見せ始めたデンマーク出身のケルドセンは、パー5の8番では9メートルのイーグルパットが僅かにショートする場面があったものの、前半で3つスコアを伸ばした。一方で、キーファー以外のライバルは一様に足踏み状態となり始めた。
ドイツのキーファーは初日「67」の後、昨日は「76」と波のある大会序盤となったが、3日目を7バーディ、1ボギーでラウンドし、この晩は新コースレコード達成を祝うこととなった。
もちろん、これはこの日のベストスコアであり、軒並みスコアの伸びた3日目は、始めの2日間合計で60台が14人しかなかったところ、この日は一日で15人が60台のラウンドを達成した。それでも、リッキー・ファウラーはこのニューカッスルのコースが決して簡単ではないことを証明してしまった。
ファウラーは驚くべきことに、上がり2ホールで連続して8打叩いてしまったのである。彼はワンオンが狙える短いパー4の16番でチップインイーグルを奪い、最終日へ優勝の望みを繋ぐも、続く17番ではティショットをロストボールとしてしまい、このホールをクアドラプルボギーとしてしまった。
記憶から消したいフィニッシュによりファウラーの優勝への望みは完全に断たれることとなり、現実の優勝争いに目を向けると、ケルドセンは非の打ち所のないラウンドを完遂できず終盤に失速して混戦模様を呼び込んでしまった。
「1番ティであらかじめ『67』というスコアを差し出されていたら、喜んでそれを受け入れていただろう」
「一日を通して素晴らしいプレーができたし、最後の2ホールも言うほど悪くはなかったから、そこまでの16ホールに目を向けることにするよ」とケルドセン。
「コース上での凌ぎ合いはとても厳しいものだ。勝つのは簡単じゃないし、この6年間、僕もお粗末なプレーをし続けていたわけではないのだが、また勝つチャンスを手にできて良かったし、もしこの大会で勝てれば全てを意味することになる」
「でもまだ、ぬか喜びはできない。僕の背後には多くの偉大な選手たちが追ってきているから、日曜は僕も良いプレーをしなければならない。まだ勝負はオープンなんだ」
ヨーロピアンツアー初優勝を狙うキーファーは、友人であり、ロイヤルカウンティーダウンで4年間アシスタントプロを務めたスティーブン・スウィーニーによる“地の利”の恩恵を受けていたことを明かした。
「彼は練習ラウンドで色々と教えてくれたのだけど、ここは確実に地元の知識が大いに役立つコースだからね」とキーファー。
「今日は良いプレーができたし、パットが沢山入ったけれど、ミスショットの際、運にも助けられたんだ。こういうコンディションではそれも大事だからね」
スペインのカブレラベローにとってのハイライトはパー4の16番でのプレーで、ワンオンに成功した彼はイーグルパットを沈めたのである。しかしながら、彼はこの日2つしかバーディが生まれなかった18番でボギーを叩き1打後退している。
「短いパットを3つ外してしまったけれど、全体的には満足している」とカブレラベロー。
「とてもタフだったね。風は強く、寒かったけれど、自分のゴルフをコントロールすることができた。明日へ向け良いポジションにつけられと思う」
カブレラベローとキーファーの1打後方にはベルント・ウィスベルガー、リッチー・ラムゼイ、そして昨日、ケルドセン、カブレラベロー、クリス・ウッドらと並んで首位タイに立っていたティレル・ハットンの3人が続いている。
ウィスベルガーは12番を終えた時点ではケルドセンと首位を分け合っていたが、14番と16番でボギーを叩き、終盤のホールで風に手を焼いた選手の仲間入りをしてしまった。
それでも彼は優勝争いに踏み止まり、母親の57歳の誕生日に良いプレーで花を添えられたことに満足している。
「(明日は)タフな状況になるだろうね」とウィスベルガー。
「あそこで2つボギーを叩いたのは理想的ではなかったけれど、終盤はタフだったし、今日はアンダーパーで回れたのでハッピーだよ」
通算2アンダーの7位には3日目を「67」でラウンドしたスウェーデンのニコラス・ファスがつけており、その1打後方には昨日までのコースレコードに並ぶ「66」でこの日をラウンドしたルーカス・ビエルゴール、かつての世界ナンバーワンであるルーク・ドナルド、ジェイク・ルース、そしてアンソニー・ウォールが続いている。
先週ウェントワースでの「BMW PGA選手権」を制したアン・ビョンフンは3日目を「67」でラウンドし、通算スコアをイーブンパーに戻した。