牙をむいたメリオンの難コース
メリオンの難コースが、ついに牙を剥いた。全米オープン3日目は、欧州ツアーから参加している選手たちにとって困難を極めるラウンドとなった。しかし予選を通過した7選手は、首位と6打差圏内につける健闘を見せている。彼ら7人のチャレンジャーは、最終日まで望みをつないだ。
3日目のこの日は、253ヤードの17番(パー3)と、530ヤードの18番(パー4)でバーディを決めた選手は誰ひとりとしていなかった。全米オープンの締めくくりに相応しい難ホールが、最後に控えている。そんな中、フィル・ミケルソンが2位に1打差をつけて最終日を迎える事となった。欧州ツアーから参加の3選手が首位と2打差に、7選手が6打差以内につけている。
3日目までの通算スコアをイーブンパーで終えたのは、チャール・シュワルツェル(南アフリカ)、ハンター・メイハン、そして全米オープン最年長優勝を狙うスティーブ・ストリッカーの3選手。特にシュワルツェルは最終2ホールで連続ボギーを叩いたものの「69」でまとめ、首位のミケルソンに1打差で最終日を迎える。
「全米オープンの3日目にアンダーパーで回れたこと自体、悲観すべき事ではないよ」と、シュワルツェル。「難しいこのコースでも、いくつかのホールは楽にスコアを伸ばせるホールがあるし、今日はそれを決める事が出来た。同様にタフなホールも存在している。そこでどれだけ我慢してスコアをキープ出来るかが大事だからね。アンダーパーで終えられたことは、上出来だと思いますよ」。
ルーク・ドナルド(イングランド)は16番までは素晴らしいゴルフを見せ、暫定ではあったものの2位に2打差のリードを保っていた。しかし17番でバンカーに手こずりスコアを落としたドナルドは、逆に17番でバーディを奪ったミケルソンに首位を明け渡した。そして迎えた18番では、2番アイアンの一打が深いラフにつかまり、アプローチはグリーンをオーバーするなどトラブルに見舞われた。そこから15フィートのアプローチショット、そして2パットを要したドナルドは、結果的に2打差の通算1オーバーで最終日を迎える。
「もっと良いプレーが出来たはず」と、ドナルド。「最後は残念なプレーが続きましたが、最初の16ホールは良いゴルフが出来ました。トップと2打差につけている事はポジティブに捉えています。わずか2打差だからね」。
「最初の16ホールは、ここ最近にない程の良いプレーができたので、本来ならばあと4つ、5つはスコアを伸ばせたかもしれません。ボールコントロールも出来ていたので、最後の2ホールは忘れて、明日に気持ちを切り替えたいと思います」。
シュワルツェルやメイハン同様、ローズも終盤の2ホールでスコアを落としたものの、混戦模様の上位に留まる健闘を見せている。
「今日は心臓が止まりそうなくらいドキドキした当たりが1、2回あったよ」とローズ。「自分の中で流れをつかめそうなショットもいくつかあったし、3日目を終えた時点での自分の順位は文句ないよ。もし誰かが木曜(初日の朝)の時点で(日曜日を好位置で迎えられる)今回の結果を予想してくれたら、間違いなく飛びついたはずさ」。
世界ランクでトップを争うタイガー・ウッズ、ロリー・マキロイ(北アイルランド)と同組で回ったゴンサロ・フェルナンデスカスタノ(スペイン)は、3日目をスコア「72」で回った。かすかな望みと共に通算5オーバーで最終日を迎える。ヘンリック・ステンソン(スウェーデン)も同様に、9番以降で5バーディと健闘したものの、14番と15番のダブルボギーが響き、通算スコアを5オーバーとした。イアン・ポールターとニコラス・コルサート(ベルギー)は、最終18番でコース左側の木々に打ち込み不幸なトリプルボギーでラウンドを締めくくった。
ここメリオンの最終5ホールは、メジャー大会の中でも最も難度の高い上がり5ホールと言えそうだ。この厳しい状況の中、欧州ツアーから参加の精鋭たちは、最終日のラウンドに立ち向かう。