2013年 マスターズ

偉大なるスコットがグリーンジャケットを勝ち取る

2013/04/15 13:46
オーストラリア人として初のグリーンジャケットを獲得したアダム・スコット(Getty Images)

アダム・スコットアンヘル・カブレラ(アルゼンチン)との激闘を制し、自身初のメジャータイトル、そしてオーストラリア人選手として初のマスターズ優勝を果たした。

9か月前の全英オープンで残り4ホールでの4打差のリードを守れずにアーニー・エルス(南アフリカ)に逆転負けに喫したスコットだが、今日は雨のオーガスタで見事に劇的な勝利をものにした。

世界ランキング7位のスコットと2009年のマスターズ覇者であるカブレラは共に9アンダーでホールアウトし、プレーオフ2ホール目でスコットがバーディパットを沈め決着をつけた。

32歳のスコットは最終18番ホールで25フィートのバーディパットを決めた瞬間、「カモン!オージー!(オーストラリア人の愛称)」と叫び自身初のメジャータイトルを手中に収めたと思った。

しかしその様子をフェアウェイから見守っていたカブレラは続くアプローチを3フィートにつけ、このバーディパットを沈めプレーオフへと自らを導いた。

プレーオフ1ホール目の18番ホールでは、カブレラがあわやチップインバーディで勝負を決めそうになったが、共にパーとし、2ホール目の10番ホールでスコットが15フィートのバーディを沈め記憶に残る名勝負に終止符を打った。

スコットの同胞であるジェイソン・デイは残り3ホールまで2打差で首位に立っていたが、16番ホール、17番ホールを共にボギーとしてしまい、結局7アンダーでホールアウトした。2日目にペナルティで2打を課せられたタイガー・ウッズは最終日を「70」で回り、もう一人のオーストラリア人選手マーク・リーシュマンと共に4位タイで今年のマスターズを終えた。

「自分でもどうやってこの優勝を手にできたのかはわからないよ。去年7月にメジャータイトルを獲り損ねてから、ここまでとても長い道のりだった気がするよ」とスコットは激闘を振り返った。

「今日は僕に流れが来ていたと思う。いくつかのラッキーもあったんだ。とても信じられない気分だよ」とスコット。

マスターズ最終日は曇り空のもと、断続的に降り続ける雨の中で行われたが、ベルンハルト・ランガー(ドイツ)がゴルフ史上最年長のメジャー優勝に向けて、スタート3ホールを全てバーディとする凄まじいスタートを見せた。

今年55歳となるランガーにとって前回の優勝から20年ぶりとなる3度目のマスターズ制覇への挑戦だったが、6番ホール、7番ホールをボギーとしてからは徐々にスコアを落とし、結局スコア「76」で最終日を終了した。この時点で、スタート2ホールをバーディとイーグルとしたデイが首位に立った。

1番ホールで30フィートのバーディパットを沈め、続く2番ホールでもグリーン横のバンカーからのショットを直接カップに沈めイーグルとし単独首位に立ったが、この首位の座は長くは続かなかった。

カブレラと最終組を回ったブラント・スネデカーもスタートホールをバーディとし、カブレラも2番ホールでバーディを奪い、この時点で3人が首位タイとなった。

スネデカーは2008年のマスターズでも最終日に首位タイに立ったが、結局「77」のスコアで3位に終わっていた。そんな彼の今年のマスターズは8番ホール、9番ホールでバーディを奪うも、4番ホール、5番ホール、10番ホール、11番ホールのボギーが響き優勝から退いた。

デイはプレッシャーから6番ホール、9番ホールでボギーを叩いた。木の間から放ったショットでグリーン手前までつけたが、そこからのアプローチショットをスロープの上に運ぶことができず、ボールは再び同じ場所まで転がり落ちてきてしまった。

その時点でデイは7番ホールをバーディとしたカブレラに3打差をつけられていたが、カブレラはその後10番ホールでティショットを木に打ち込みこのホールをボギーとして、更に13番ホール(パー5)ではボールを池に落とし再びボギーを叩いてしまった。

デイは13番ホールで素晴らしいバンカーショットからスタートホール以来となるバーディを奪った。そして続く14番ホールでも7フィートのバーディパットを沈めると、15番ホール(パー5)では2オンに成功しイーグルパットこそ外したものの、ここでもバーディを奪い2位に2打差で単独首位に立った。

スコットはスタートホールをボギーとし、3番ホールでバーディを奪って以来9ホール連続パーとし、優勝争いには絡まないかと思われたが、13番ホール(パー5)でのラッキーから一気にチャージをかけた。

スコットのスピンのかかったアプローチは池に向かってグリーンから転がり落ちてしまったが、雨のおかげで池の手前のダウンスロープで何とかとどまってくれた。これは1992年にフレッド・カプルスが優勝した時の12番ホールを連想させた。

そしてスコットはそこから見事なアプローチを決めこのホールをバーディとした。この時点で15番ホールをバーディとしたデイ、16番ホールをバーディとしたカブレラの3人が首位タイとなった

しかしデイのチャンスは16番ホールの3パットからのボギー、そして17番のバンカーからの「寄せワン」の失敗で消えた。これによってドラマの舞台は整った。

スコットは昨年の覇者ババ・ワトソンからグリーンジャケットを手にし、そして同じオーストラリアの英雄グレッグ・ノーマンを讃えた。

「オーストラリアは誇り高いスポーツ大国です。そしてこれまで届かなかったこのマスターズの勝利は成功の証です」とスコットは語った。

「今日僕がこの優勝を手にできたことは本当に驚きです。それがマーク・リーシュマンでもジェイソン・デイでもあり得たと思っています。」

「そしてこのオーストラリアのゴルフに多大な影響を与えた人物がいます。それがグレッグ・ノーマンです。彼は信じられないほど僕に、そして多くのオーストラリアの若いゴルファーに強い影響を与えてくれました。この勝利の一部は間違いなく彼に帰属するものです。」

カブレラはスコットの優勝の瞬間に彼に近づき素晴らしいスポーツマンシップを見せた。「それがゴルフというスポーツさ。プレーオフをもぎ取り、そしてもし僕がプレーオフの18番ホールでチップインを入れていたら僕が優勝してかもしれない。」
「しかしアダム(スコット)はとても素晴らしい勝者だ。もちろん自分が優勝していたらもっと幸せだったけど、彼はとても素晴らしい選手で、僕たちはプレジデンツ・カップを共に戦った良き仲間なんだ。彼の勝利を僕も嬉しく思うよ。」

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