連覇を目指すクリストファー・ブロバーグ（写真は前年大会）

今週のDPワールドツアーはオランダを再訪し、ベルナルデュスゴルフを舞台に歴史的な「ダッチオープン」が開催される。同大会について知っておくべき5つのポイントは次の通り。

ブロバーグの防衛戦

クリストファー・ブロバーグは昨年9月の「ダッチオープン」でDPワールドツアー2勝目を挙げた際、涙をこらえることができなかった。

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8打差の首位で最終日を迎えたスウェーデン人選手は、イーブンパーの「72」をマークして後続を振り切り、マティアス・シュミット（ドイツ）に3打差をつけてベルナルデュスゴルフで初めて開催されたこの歴史的な大会を制覇した。

ハーフターンでリードが半分になったブロバーグは、10番のバーディでその差を5ストロークに広げると、ペナルティドロップを強いられたパー5の12番では、一挙にそのリードを手放す危機に瀕するも、ガードバンカーからのチップインで奇跡的なボギーとしてピンチを切り抜けた。

2015年「BMWマスターズ」以来、勝利から遠ざかっていたブロバーグは14番でボギーをたたくも、上がり4ホールでは落ち着きを取り戻し、17番でバーディ奪ったほか、それ以外のホールをパーとして優勝圏内に返り咲いた。

今週はここ6年間悩まされてきた故障の再発により棄権した3月の「コマーシャルバンクカタールマスターズ」以来のツアー復帰を果たすことになる。

メジャーへの道

「ダッチオーブン」は今回初めて2022年「全英オープン」の予選会シリーズに組み込まれた。今大会では、トップ10に入った上位3人の選手（有資格者を除く）にセントアンドリュースで開催される7月の第150回大会の出場権が与えられる。

また、今大会は4大会で構成される6月「全米オープン」の出場権4枠をかけた欧州予選会シリーズの第3戦にあたる。

昨年の「ダッチオープン」は「ライダーカップ」の前週に開催された。今週は2020年にこの予選会シリーズが開催されるようになって以降、初めて同シリーズの大会として開催されることになる。なお、この予選会シリーズは、新型コロナウイルス感染拡大を受けて中止となった「全米オープン」の予選会に代わるミニシリーズとして発足した経緯がある。

「ベットフレッドブリティッシュマスターズ」、「ソウダルオープン」、今大会、そして6月2日から5日にかけて開催される「ポルシェヨーロピアンオープン」でのDPワールドツアーポイントの合計でトップ10に入った選手（有資格者を除く）には、6月「全米オープン」行きのチケットが付与される。

現在このミニシリーズでは、最初の2戦で勝利したトービヨン・オルセン（デンマーク）とサム・ホースフィールド（イングランド）が首位に立っており、今週はトップ10に入っているそれ以外の8選手全員がフィールドに名を連ねている。

母国の威信をかけてプレーするラウテンとベセリン

地元で活躍が期待されるウィル・ベセリン※写真は2020年「アルフレッド・ダンヒル選手権」（Jan Kruger/Getty Images）

1912年に第1回大会が開催されて以降、「ダッチオープン」ではこれまで18の異なる国から76人の選手が勝利を挙げている。これには、それぞれ異なるコースで開催された2013年と2016年大会を制覇したユースト・ラウテンら6人のオランダ人選手が含まれる。

今週はウィル・ベセリンやダリウス・ファンドリエルといったオランダ勢がラウテンの足跡をたどるべく大会でプレーする。地元のギャラリーにとっては応援に事欠かない大会となるだろう。

ベセリンは出場したツアーの直近5大会中1大会でトップ10入りを果たし、それ以外の2大会でもトップ25入りするなど、好調の波に乗っており、練習でよく訪れるファンドリエルでのプレーとなる。

プロを打ち負かせ

今回も大会4日間を通じ、ベルナルデュスゴルフの8番ホール（160yd／パー3）を舞台に、エキサイティングな催しである“ビート・ザ・プロ”が行われる。これはアマチュアがツアープロにニアピン勝負を挑むという趣向であり、2016年からDPワールドツアーに盛り込まれた。

例年通り、当該ホールはツアープロの出場する大会のスコアに数えられており、選手とファンの親交を深める熱い勝負となってきた。

ハビエル・バレステロスが出場

今週の国際色豊かなフィールドには、メジャー5勝を誇るセベ・バレステロス（スペイン）の長男であるハビエル・バレステロス（スペイン）の名が含まれている。

今年はセベ・バレステロスによる1976年「ダッチオープン」でのDPワールドツアー初優勝から46周年となる。バレステロスはその後、史上最多となるツアー50勝を達成した。2014年にプロへ転向したハビエルは、これまでツアーの大会に複数回出場しており、直近ではレアルクラブバルデラマで開催された昨年の「アンダルシアマスターズ」に出場しており、オランダのナショナルオープンへの出場は、今回が3回目となる。