ルーカス・ハーバートが母国を勇気づけるツアー初優勝を飾った（David Cannon/Getty Images)

ルーカス・ハーバートがプレーオフでクリスティアン・ベゾイデンハウトを下して2020年「オメガドバイデザートクラシック」を制覇し、ヨーロピアンツアー初優勝を遂げた。

2人はともに首位と6打差の13位でスタート。エミレーツGCが強風と降雨にさらされるなか、リーダーボードの様相は一変し、優勝争いは全く予断を許さない状況となった。

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そんななか、いずれも見事に「68」をマークし、通算9アンダーでホールアウトした。南アフリカ出身のベゾイデンハウトは最終ホールでレイアップしながら池につかまり、クラッチパットを決めてボギーとしたのに対し、ハーバートは17番と18番で連続バーディを奪ってラウンドを締めくくった。

プレーオフ1ホール目では、オーストラリアのハーバートが2打目を池に入れるも、ドロップゾーンからのスーパーショットでパーをセーブし、再びティへと引き返す展開に。

すると、2ホール目ではハーバートが2打目でグリーンをとらえ、ピンそば6mにつけ、そこから2パットのバーディで優勝を決めた。

通算7アンダーの3位タイにはスペインのアドリ・アーナス、南アフリカのディーン・バーメスター、そしてイングランドのトム・ルイスが入り、その1打後方の6位タイには米国のカート・キタヤマと中国の呉阿順が入った。

近年に比べるとフェアウェイは狭く、ラフは深く、グリーンが硬くなったことで、今回のエミレーツGCでの優勝スコアは歴代最多ストロークとなり、昨季優勝したブライソン・デシャンボーよりも15打多いスコアとなった。

ともあれ、ハーバートは、ヨーロピアンツアー出場50試合目で「オーストラリアの日」に優勝したことで、公式世界ゴルフランキングのトップ100に返り咲いた。

「これまでで最高の出来事。本当に素晴らしいね」とハーバート。「オーストラリアの自宅には祝福用のスコッチが用意されているから、友人たちと祝杯を挙げるのが待ち切れないね」

オーストラリアでは依然として人命をも奪う大災害となった山火事との格闘が続いており、ハーバートは母国の同胞へ向けてメッセージを送った。

「オーストラリアでは今、大変なことが起こっており、2週間前にキャメロン・スミスが優勝した時に言ったように、世界中の人々が僕らの後押しをしてくれているから、僕のプレーオフ1ホール目よりも強く戦い続けられたらと思う」

「それは、消火活動に当たっている消防士やボランティアの人々の奮闘とは比べものにならないから、僕はありったけの愛情を地元に送りたいと思う」

全選手が風に手を焼くなか、ベゾイデンハウトはのびのびとしたプレーを続け、パー3の4番と7番でバーディを奪い、「33」でハーフターンした。

その後、ベゾイデンハウトはパー5の10番とフリンジからロングパットを決めた11番でもバーディを奪い、2位タイに浮上。

最終日を首位でスタートした34歳の呉は7番でチップインバーディを奪ったが、築いた3打差のリードは長続きしなかった。ベゾイデンハウトがパー5の13番でバンカーからの寄せワンでバーディを奪って二桁アンダーとするなか、呉は8番でボギーをたたいた。

一方、出だしでボギーをたたきながらもその後の2バーディで盛り返したハーバートは、この時点では後続に埋もれていたが、その後に先頭集団が落ちてくる展開になった。

呉はトラブルで横に出した10番で3パットのダブルボギーを喫すると、11番、13番、そして15番でもボギーをたたいてスコアを落とした。

これにより、18番のフェアウェイにいたベゾイデンハウトは2打差をつけて首位に立つも、この後、第3打を池に落とし、ギャラリーを驚かせた。それでも25歳は4.5mのクラッチパットをねじ込み、ダメージを1打に押さえてクラブハウスターゲットを定めるも、その後はハーバートに扉が開かれることとなった。

ハーバートは12番のボギーを挟む形で2つのバーディを奪うと、17番と2オンに成功した18番でもバーディを奪い、勝負をプレーオフに持ち込んだ。

アルナウスは1ボギーの「70」をマークし、バームスターはイーブンパー、ルイスは「74」のラウンドとなった。

キタヤマはこの日のスコアを「75」、呉は「77」とし、彼らの1打後方の8位タイにはフランスのマイク・ロレンゾベラ、スコットランドのロバート・マッキンタイア、そしてこの日4ボギーの「76」としたデシャンボーが入った。