メジャー覇者のフランチェスコ・モリナリが母国で歓待を受ける※写真は2018年「全英オープン」

今週のヨーロピアンツアーは、今季「ロレックスシリーズ」第5戦の「イタリアオープン」が開催されるイタリアへ。ローマでの大会について知っておくべき5つの事柄は次の通りである。

フランチェスコの凱旋帰国

フランチェスコ・モリナリは昨年カーヌスティGLで開催された「全英オープン」で優勝し、トーマス・ビヨーン率いる「ライダーカップ」欧州代表で勝利を決めるポイントを挙げるなど、5戦全勝を飾って以来、初めて母国イタリアでの大会に臨むことになる。

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モリナリは2018年「BMW PGA選手権」で「ロレックスシリーズ」初制覇を果たすと、その翌週にはガルダゴルフGCで開催された「イタリアオープン」で2位に入った。キャリア最高のシーズンを送った昨年、その後の米PGAツアーで優勝を遂げると、間を置かずに英国の地でイタリア人選手として初のメジャー制覇を果たした。

ロリー・マキロイ、ジャスティン・ローズ、そしてタイガー・ウッズに競り勝ってイタリア人初のメジャー王者となったモリナリが、今週オルジャータGCで英雄凱旋の歓待を受けるのは間違いない。

スター揃いのフィールド

今週のローマにはオールスター級のフィールドが集結。ヨーロピアンツアー12勝で、「ライダーカップ」のレジェンドでもあるイアン・ポールターがその一人。彼はオルジャータで最後に開催された2002年大会でトロフィーを掲げている。イングランド人選手にとって、3年間で2度目の「イタリアオープン」制覇だっただけに、今週も自信を持って大会に臨むことだろう。

ポールターに加え、「ライダーカップ」のチームメイトでかつての世界ナンバーワンであるジャスティン・ローズも出場。ローズが「イタリアオープン」に出場するのは、ポールターが優勝した2002年以来となる。また、同じくイングランドのポール・ケーシーが「イタリアオープン」デビューを飾る。

地元の優勝候補モリナリに加え、フィールドには今年「BMW PGA選手権」を制したダニー・ウィレット、そして現「全英オープン」王者のシェーン・ローリーも名を連ねている。アイルランドのローリーは1月に開催された「アブダビHSBC選手権」を制しており、ウィレット同様、今季「ロレックスシリーズ」2勝目を狙っている。

ロレックスシリーズ

今週の「イタリアオープン」は2019年「レース・トゥ・ドバイ」における「ロレックスシリーズ」第5戦。ここ4週間では、先月の「BMW PGA選手権」に続く2つ目の重賞大会となる。

2019年のここまでの「ロレックスシリーズ」は、ローリーが「アブダビHSBC選手権」で4年ぶりの勝利を挙げ、「ドバイデューティーフリー アイルランドオープン」ではジョン・ラームが史上初の「ロレックスシリーズ」3勝目を挙げるなど、目を見張る瞬間が目白押しだった。そして、そのラームの勝利の1週間後には、今季好調のベルント・ヴィースベルガーが「アバディーンスタンダードインベストメント スコットランドオープン」を制覇している。

「ライダーカップ」ポイント争奪戦

2020年「ライダーカップ」欧州代表の座を巡るポイントレースは、先月の「BMW PGA選手権」で号砲が鳴らされ、同大会を制したイングランドのウィレットが1165ポイントを獲得して、来年ウィスリングストレーツでパドレイグ・ハリントンが率いることになるチーム入りへ好発進を遂げた。

今週の「イタリアオープン」でも優勝者には同じポイントが与えられる。ハリントン率いるチームが昨年の圧巻の勝利に続くタイトル防衛を目指すなか、大陸を代表して米国の地で戦う栄誉に授かるため、今大会のフィールドに名を連ねる欧州の選手たちはさらにやる気を刺激されることになる。

最後のカウントダウン

3週間後の「ポルトガルマスターズ」でヨーロピアンツアー2020年シーズンのシード権が与えられる今季のトップ110人と、「トルコ航空オープン」への出場権を得るトップ70の選手が確定する。

今週の「イタリアオープン」では合計7000の「レース・トゥ・ドバイ」ポイントが分配されるため、ヨーロピアンツアーのシード権をかけ、当落線上にいる選手たちにとっては、大量のポイント獲得で「レース・トゥ・ドバイ」ランキングを急上昇させ、シード権を盤石のものとする最後のチャンスとなる。

来月の「トルコ航空オープン」の出場権が与えられるトップ70入りを目指す選手たちにとっても、今週は大きく順位を変動させる絶好の機会となる。