穴井詩が単独首位!デビュー戦の比嘉は出遅れ
◇国内女子◇ニトリレディスゴルフトーナメント 初日◇桂GC(北海道)◇6,477ヤード(パー72)
今季2度目の北海道決戦で初日は朝から小雨が降る天候となった。スタートは午前、午後に分けられ、総勢120名が出場。その中で首位に立ったのは6アンダーをマークした穴井詩だった。飛距離に定評のある穴井は、6バーディ、ノーボギーと安定感のあるゴルフでスコアを伸ばした。
2打差の4アンダー2位タイは大谷奈千代、イ・ナリ(韓国)、イ・ヘス(韓国)、さらに新鋭の成田美寿々といった4人が並んだ。さらに1打差の3アンダー6位タイには、吉田弓美子、全美貞(韓国)、上原彩子など8人が集団を作っている。
そして、今年のプロテストに合格し、今大会がプロとして初戦となった比嘉真美子は、15番パー4で「8」をたたくなどスコアを伸ばせず5オーバー97位と出遅れてしまった。
<ツアー未勝利の穴井、混戦を一歩リード>
ツアー屈指の飛距離を誇る24歳が、混戦が続いていた上位争いを一歩リードした。ドライバー、アイアンともにフルスイングで飛距離を稼ぐプレースタイルは、魅力的な反面、曲げれば大ケガに繋がる諸刃の剣となっていた。しかし、2、3週間前から「全体的にショットを抑え目にして、フルスイングをしないように」という転換が奏功。この日も「今年、初めてなくらい曲がらなかった」とコースを悠々と制圧した。低く抑えたドライバーの弾道は「(飛距離は)あまり変わっていない」とフルスイング時と遜色はなく、「振る必要はないんだ、と思いました」と表情も明るい。
スタートホールの1番で3mのチャンスを沈めると、2番、3番(パー5)とグリーンを外しながらもパーセーブ。「前半にパーを拾えたことで流れをつかめた」と、その後はバーディ量産態勢に入る。7番(パー5)では2打目でグリーン近くまで運び、アプローチを寄せてのバーディ。さらに9番、12番とバーディを重ねると、終盤に入っても勢いは衰えることなく、15番で2m、17番で1.5mと次々とピンに絡めた。
今年4月の「フジサンケイレディス」では初日に首位タイ発進としたが、2日目に「78」と大きく崩れて41位タイに後退。「必要以上に緊張して、地に足がついていなかった」と苦い記憶を振り返る。「フジサンケイの経験を活かして、心に波風を立てないようにしたい」と、その反省を活かす機会は再び巡ってきた。
「ここ最近は、上がりで崩れていた」という穴井には、今年から始めたジンクスがあるという。「上がり16番(残り3ホール)くらいで、決まって同じブラウニーを食べると、次のホールであまりボギーを打たないんです」と照れ笑い。この日も、同じタイミングで“内緒のオヤツ”(穴井)を口にし、ジンクス通りノーボギーラウンドへと繋げた。