16歳の伊藤誠道が単独首位に!遼は10代最後のラウンドで予選落ち
北海道の札幌ゴルフ倶楽部輪厚コースで開幕した、国内男子ツアーの第15戦「ANAオープンゴルフトーナメント」の2日目。16歳のアマチュア伊藤誠道(杉並学院高1年)が並み居るプロを押しのけて9アンダーの単独首位に浮上した。
3アンダーの7位タイから出た伊藤は6バーディ、ノーボギーの「66」をマーク。2009年の「VanaH杯 KBCオーガスタ」で国内男子ツアーの史上最年少予選通過記録(14歳21日)を樹立した逸材が、2007年の石川遼に続くアマチュア優勝へのチャンスを手にした。
1打差の通算8アンダー、単独2位には今季初勝利を狙う松村道央。さらに1打差の3位タイには小田孔明、カート・バーンズ(オーストラリア)、平塚哲二。通算6アンダーの6位タイに伊澤利光と片山晋呉。初日トップの小田龍一はイーブンと伸び悩み、通算5アンダーの8位タイに後退した。ディフェンディングチャンピオンの池田勇太はキム・キョンテ(韓国)らと並んで通算3アンダーの19位タイとなった。
そして明日9月17日(土)に二十歳の誕生日を迎える石川遼は、2オーバーの91位タイからスタートし3バーディ、3ボギー、1ダブルボギーの「74」と巻き返せず通算4オーバー。カットラインに4打届かず99位タイに終わり、ホストプロとして迎えた10代最後のラウンドでまさかの予選落ちを喫した。石川が国内ツアーで決勝ラウンド進出を逃したのは今季4度目となった。
<アマチュアの伊藤誠道が単独首位>
2日続けてノーボギーのラウンドで、この日6つスコアを伸ばした杉並学院1年のアマチュア・伊藤誠道が通算9アンダーとして単独首位に浮上。アマチュアがツアーのトップに立つのは、2007年「マンシングウェアオープンKSBカップ」で優勝を果たした石川遼以来の快挙となる。
「背伸びをせず、伊藤誠道のゴルフをしたい」。石川遼、薗田峻輔といったツアー優勝を飾っている高校の先輩たちとは対照的に、身長166cmの伊藤は身の丈にあったゴルフをしたいという。「ロングで2オンを狙ったりせず、焦らずコツコツ」という伊藤は、この日の最終9番(パー5)でも「たとえフォローの風でも、スコアがどうでも、最初から刻もうと決めていた」とレイアップを選択し、3打目を1.5mにつけてバーディフィニッシュ。満面の笑顔を浮かべると、最後はコースに向かってぺこりと一礼し、アマチュアらしく爽やかに締めくくった。
<1打差2位に松村、3位タイに平塚ら3選手>
首位の伊藤を追いかけて、1打差2位につけるのはこの日「68」で回った松村道央。「ピンチらしいピンチもなく、ストレスの無いゴルフができました」と、さらりと話す一方で、首位と2打差、通算7アンダーの3位タイにつける平塚哲二は、あぶら汗をにじませる。
酒豪で知られる平塚にとって札幌は特別な場所。「(札幌は)やっぱりいいっすね。疲れますけど」と苦笑い。出だしの1番で3パット、3番、4番と短いパットを外したが5番でバーディを奪って以降、終盤は4連続バーディを奪うなど一気に巻き返した。
<石川遼、10代最後の大会はあえなく予選落ち>
大会3日目に20歳の誕生日を迎える石川遼だが、その特別な日にトーナメントを戦うことは叶わなかった。初日「74」と出遅れた石川は、この日も要のドライバーショットが不調でラフを渡り歩く展開に。3バーディ3ボギー1ダブルボギーとスコアを落として通算4オーバーの99位タイに沈み、あえなく予選落ちとなった。
「明日はここでゴルフをする予定が無くなったので、なにも考えていません。どちらにしても、寂しい誕生日になりましたね」と肩を落とした。