2023/05/29テーラーメイド特集

“プロ”の挑戦をサポートし続けるテーラーメイドと石坂友宏の関係性

若手の躍進が続く国内男子ツアーにあり、初優勝が期待されるプレーヤーの一人が、テーラーメイドとクラブ契約をしている石坂友宏だ。まだプロとしては無名の存在だった2020年11月の「ダンロップフェニックス」ではプレーオフで敗れたものの2位と大健闘。ここから一気にシード選手へと飛躍を遂げた。 石坂が持つクラブに対する考え方、さらにはサポートをしてくれるツアーレップとの関係など、トーナメント観戦だけでは見えてこないツアープロの舞台裏に迫る。 “ダメ元”での紹介からクラブ提供が始まる 神奈川県横須賀市出身の石坂は、中学時代に「関東ジュニア」、「関東中学校ゴルフ選手権春季大会」で優勝するなど、同世代の中では...
2023/03/22テーラーメイド特集

カーボンフェースの軽さが生み出した飛びとやさしさの秘密

飛距離を追い求めるのはゴルファーならば誰でも同じ。「飛ばしよりもスコアが大事」と口にはしても、「飛ばなくていい」と思っている人はほとんどいないだろう。だからこそ、クラブメーカーは飛ぶクラブの開発に力を入れ続けている。 飛びの3要素は、「ボール初速」「打ち出し角」「バックスピン量」。なかでもボール初速は、2008年以降、フェースの反発係数を規制したルール(SLEルール)が定められてからも、さまざまなテクノロジーで初速アップを実現している。 反発係数の規定値を逆手に取った逆転の発想 飛びの3要素のうち、打ち出し角とスピン量は、適正な範囲があり、高ければいい、少なければいいというものではない。しかし...
2022/09/01フットジョイ特集

唯一無二の“ツアー仕様”スパイクレスの地位を確立するまで

近年、スパイクレスシューズが目覚ましい進化を遂げている。かつては気軽にゴルフを楽しむカジュアル派のアイテムだったが、世界の主要ツアーでNo.1のシューズ使用率を誇る「フットジョイ」がその概念を変えた。 ツアー仕様のスパイクレスという新ジャンルを開拓し、プロから高い信頼を獲得することで、ツアーでの使用者が急増しているのだ。 新ソール形状によりスパイクを超えるグリップ力へ スパイクレスのゴルフシューズが一般に認知されたのは約30年前のことだが、長らくプロや競技志向のゴルファーからは敬遠されてきた。コースや練習場の行き帰りに履き替える必要がない気軽さが一般ゴルファーに受け入れられる一方で、ゴルフシュ...
2022/12/13テーラーメイド特集

米国仕様との違いは? 日本向けにこだわる「グローレ」開発秘話

米国の一部クラブメーカーは、世界で展開するグローバルモデルのほかに日本市場に向けたモデルを送り出している。米国と日本において、ゴルファー個々の体力やスイングのほか、クラブ性能の好みが異なることがその理由だ。 常に最新のテクノロジーを投入し、ゴルフクラブの世界をリードしてきたテーラーメイドも、2012年に日本オリジナルブランドを立ち上げた米クラブメーカーのひとつ。同社日本法人のハードグッズプロダクト・シニアマネージャーを務める柴崎高賜(敬称略、以下同)に誕生の経緯やグローバルモデルとの違いを聞くとともに、シリーズ10年間にわたる進化の系譜をたどる。 日米で好まれるクラブ性能の違い 米国仕様のクラ...
2023/03/29テーラーメイド特集

カーボンウッドが追求する理想の打音と打感

もしも機械がボールを打つのであれば、気にする必要はないのかもしれない。しかし、プレーヤーが人間である以上、ゴルフクラブを選ぶうえで打音と打感は重要な要素となる。 自分の感覚と結果がマッチしているか。気持ちよくプレーできるか。ゴルファーの満足度やスコアに、打音と打感は影響を及ぼす。 やわらかさだけで打感は語れない 打感を表現する言葉はさまざまだが、「やわらかい」はおおむねポジティブな意味で使用されることが多い。一方で、対義語である「硬い」も、「しっかりした打感」や「弾き感がある」など、ニュアンスによっては好印象を与えるなど、好みは多種多様だ。 世界のトッププレーヤーから一般のアマチュアゴルファー...
2022/12/16HONDA特集

ゴルフがもっと楽しくなる? 大手自動車メーカーの描く未来像

近年のクルマ作りにおいて、世界各国のメーカーはさまざまな種類のモデル開発を進めている。時代の流れとともに消費者ニーズは変わり、ライフスタイルや価値観の多様化によってクルマに求められることも変化してきた。それは、ゴルファーのクルマ選びも例外ではないだろう。 そのような状況下で、本田技研工業(ホンダ)が11月17日に発表した新型SUV(スポーツ用多目的車)には、“ゴルファーが自信を持って朝イチのティイングエリアに立てる”という期待が込められているという。それはどのようなモノなのか。同社開発戦略統括部の河口展之(かわぐち・のぶゆき、以下敬称略)チーフエンジニアに聞いた。 変化しつつあるクルマ作りのテ...
2022/12/05テーラーメイド特集

カーボンの可能性を求めて メタルウッド開拓メーカーの次なる挑戦

1979年創業のテーラーメイドはメタルウッドの元祖。ヘッド素材にステンレスを採用した「ピッツバーグパーシモン オリジナルワン」、「ツアープリファード」といった初期の名器たちが、長らく続いたパーシモンの時代に終止符を打った。主流はステンレスからチタンに変化したものの、広い意味では今もメタルウッドの時代が続いている。 そして、真っ先に脱チタンを掲げたのもまたテーラーメイドだった。2022年の最新モデルからドライバーのフェースにカーボンを採用した開発の経緯と、カーボンの可能性を深掘りする。 木製から金属製 そしてカーボンへ 木製のパーシモンから金属製のメタルへ。ドライバーの性能は、ここで大きな飛躍を...
2022/02/01フットジョイ特集

シューズで飛距離を伸ばす!? ゴルファーの要望に応えるNo.1ブランドの気概

道具を使うスポーツであるゴルフにおいて、とかく注目はクラブやボールに集まりがちだが、シューズは同等かそれ以上に重要な役割を担うギアといえる。歩くこと自体に調子の良し悪しは感じなくても、足元の快適性は全ショットに影響し、それこそスイングの再現性や疲労度などプレー内容を左右する。 ゴルフシューズの最適なフィット性にこだわった靴作りで、長きにわたって世界中のゴルファーから高い支持を集めているブランドが「フットジョイ」だ。 ツアー使用率No.1 PGAツアーが統計を取り始めた1945年以降、フットジョイのゴルフシューズは2020-21年シーズンで「ツアー使用率No.1」(約58%)を獲得するまで、実...
2022/04/28BMW特集

男子ツアー再興を目指して―― 生まれ変わるメジャー「日本ゴルフツアー選手権」の挑戦

国内男子メジャー「日本ゴルフツアー選手権」が装いを新たに、今年から「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」(6月2日開幕、茨城・宍戸ヒルズカントリークラブ)として開催される。PGAツアー、DPワールドツアー(欧州ツアー)でもビッグトーメントの冠スポンサーを務めるBMWが目指すのは、大会の成功を超えたツアー全体のレベルアップ。「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」は大きなビジョンに向けた挑戦へのスタートとなる。 ツアーの価値を高めるために 「BMWのグローバルネットワークを最大限に活用したいと思います」。ビー・エム・ダブリュー株式会社で「日本ゴルフツアー選手権」を担当する宇賀...
2022/05/09BMW特集

新生「日本ゴルフツアー選手権」から世界へ 木下稜介が見据える連覇と2つのアーメンコーナー

「ボクが一番勝ちたいと思っている」。昨年の国内男子メジャーBMW「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」で初優勝を果たした木下稜介は、連覇への思いを隠そうとしない。1年前からの大きな変化は、大会が新たな冠スポンサーにBMWを迎え、「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」に生まれ変わったこと。そして、木下がBMWとスポンサー契約を結んだこと。連覇がかかる大一番にホストプロとして臨むこととなった。 ゴルフファン以外にも魅力が伝わるプレーを BMWはDPワールドツアー「BMW PGA選手権」、PGAツアー「BMW選手権」など海外のビッグトーナメントでスポンサーを務めている。その経験を生かし...
2022/08/18Sansan特集

音楽とゴルフ 常識を疑う“仕掛け人”が生んだ観戦スタイル

青空の下で響き渡るミュージック。人気アイドルグループのコンサート…。どちらも野外のライブイベントではなく、男子ゴルフツアーが開催されているゴルフ場での光景だ。「Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント2022」では数々の新しい試みをツアーに導入し、いまや国内屈指の盛り上がりを見せている。 Sansanが掲げる企業ミッションは『出会いからイノベーションを生み出す』。音楽とゴルフツアーはどのように出会い、いかなる相乗効果が生まれたのか。その“仕掛け人”である九州朝日放送(KBC)東京支社長兼総合編成部長の大保一(だいぼ・はじめ 敬称略、以下同)に、実現へと至るまでを聞いた。 No.1の大会...
2022/10/13Sansan特集

「出会い」のプロフェッショナルに聞くゴルフが秘める魅力

ゴルフというスポーツにはラウンドを通じて人と人の結びつきを強め、関係性を深められる魅力がある。「出会いからイノベーションを生み出す」ことをミッションとするSansanは、ゴルフを「出会い」創出のための重要なツールとしている企業のひとつで、2021年からは国内男子ツアー「Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント」も特別協賛する。どのようにゴルフをビジネスへとつなげてきたのか。同社執行役員でビジネス統括本部副本部長の田中陽(敬称略、以下同)に、ゴルフが秘める可能性について聞いた。 ゴルフコンペを主催する理由 「それ、早く言ってよ~」 俳優の松重豊さん演じる営業部長が、パット練習に興じる社長...
2024/11/05トゥルーテンパー特集

初V弾みにバージョンアップ中 阿部未悠のシャフト考

国内女子ツアーでトゥルーテンパーの「スチールファイバー」シャフトを採用する選手が増殖中という。ベテランから若手まで幅広く、優勝経験者もいる。 プロ4年目の今年4月、「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」でツアー初優勝を果たした阿部未悠もその一人。感覚派が多い中、打感や球筋だけでなく数値データもシャフトに求めている。24歳にして、「こだわるところは、こだわりたい」という強い信念がある。 スチールファイバーとの出合い アマチュア時代からプロ1年目まで、アイアンのシャフトはトゥルーテンパーのスチールシャフト「ダイナミックゴールド」を使っていたという阿部。同社の「スチールファイバー」に替えたのは...
2024/11/01三菱ケミカル特集

大里桃子の復活Vを決定づけた変化とこだわり

変えるものと変えないもの――。女子ゴルフ界“黄金世代”の一人、大里桃子が6月の「宮里藍サントリーレディスオープン」で復活のツアー通算3勝目を飾った。 昨年は極度の不振に陥り、プロ転向後、初めてのシード落ちを経験。クラブを替え、球筋を変え、トレーニングを変え……。変化を恐れず、スランプを乗り越えた大里が変わることのない信頼を寄せ続けたのは、ジュニアのころから慣れ親しんだ三菱ケミカルのシャフトだった。 体調不良から始まった小さな違和感 不振のきっかけは一昨年、2022年の夏に遡る。トーナメント欠場には至らない程度の体調不良。試合と試合の間で数日、安静にすることで体調は戻ったが、小さな違和感を覚えた...
2024/08/26三菱ケミカル特集

タイガーも唸らせたプロ御用達シャフトの20年

日本ツアーはもとより、海外ツアーでも多くのプロが使用している三菱ケミカルのゴルフシャフト。世界最高峰の舞台PGAツアーでは、これまで何度もシーズン最多勝を獲得し、メジャー大会の舞台でも多くのプレーヤーがそのシャフトを手に戦ってきたのは周知の事実だ。 そんな三菱ケミカルのフラッグシップブランド「ディアマナ」が、2004年の誕生から20年を迎えた。炭素繊維メーカーである同社(当時三菱レイヨン)がカーボンシャフトの原料となるプリプレグ(未硬化状態の樹脂を含ませた繊維シート)の生産を開始したのは1976年で、シャフトの製造をスタートさせたのは翌77年からだった。 初期はゴルフ業界の黒子的な立ち位置 「...
2024/06/28ダンロップ特集

使い続けるにはワケがある オーナーたちが語るゼクシオの魅力

2000年の初代から数えて最新作は13代目。発売されるたびに、売り上げランキング上位に入るダンロップの「ゼクシオ」。根強い人気を支えているひとつに、愛用者で構成される会員組織「ゼクシオ オーナーズクラブ」がある。オーナーたちは、なぜ“ゼクシオ沼”にハマったのか。座談会でその魅力を語ってもらった。 ゼクシオとの出合い 最古参は2002年から 「ゼクシオ オーナーズクラブ」は同ブランドのゴルフクラブ購入者を対象にした会員組織で、2014年4月に発足し、現在約1万人の会員がいる。登録したクラブの保証期間の延長サービスほか、様々な特典がある。この日集まったのは男女7人の方々だ。 会員の中で最古参となる...
2023/03/24ダンロップ特集

「ボールは1つ」つくる難しさと面白さにのめり込んだ開発者のこだわり

ゴルフボールは「特許の塊」といわれる。白いカバーはもちろん、内側のコア(中心部)にも多くの技術が注ぎ込まれているからだ。 同時に、開発者たちの試行錯誤や熱意も込められている。毎年のように生み出される新作の開発にあたる者はどんなことを考えているのか。 研究者気質で “つくる側”へ 直径4センチ強のゴルフボール。「クラブを替えてもボールは(基本的には)1つ。全番手に影響する」。住友ゴム工業スポーツ事業本部商品開発部の井上英高(敬称略、以下同)はそれがゴルフボール開発の面白さであり、同時に難しさであるという。 東京工業大学大学院で炭素繊維の研究をしていた井上は先輩に誘われてゴルフを始めた。「まったく...
2022/11/11本間ゴルフ特集

新たなファン層の獲得を図る老舗ゴルフメーカーの次なる一手

1959年の創業から職人による熟練の技を継承し続け、「世界で最も優れたゴルフクラブをつくる」ことを目標に製品開発を進めてきた本間ゴルフ。その老舗ゴルフメーカーが、新たなファン層の獲得に向けて新シリーズの創出に打って出た。目的を実現するために行われた戦略とは? フリーアナウンサーの青木源太さんが本間ゴルフの酒田工場を訪れ、複数のキーパーソンに話を聞いた。 ターゲットは「ゴルフを楽しんでほしい若い世代」 一般的には、従来シリーズの後継となれば、ターゲット層は前モデルから大きく変更することはない。しかし、新シリーズとなれば、どんなゴルファーに手にしてもらいたいか明確な方向性を定める必要がある。青木さ...
2022/10/28本間ゴルフ特集

“匠”が手掛けるゴルフクラブ 青木源太が見たモノづくりの神髄

世界で最も優れたゴルフクラブをつくる――。この想いで開発される本間ゴルフのクラブは、1959年の創業から伝統の技を継承する“匠”たちの手により生まれている。その生産拠点となるのが、山形県北部にある敷地面積約5万坪の規模を誇る酒田工場。日々、300人を超える職人の技と最新技術、高品質素材を融合した研究開発、製造が行われている。フリーアナウンサーの青木源太さんが現地を訪れ、本間ゴルフのモノづくりの極意に触れた。 「綺麗な工場」を保てる理由 「綺麗な工場ですね」。初めて酒田工場を訪れた青木さんは、工場内を見学しながら、そうつぶやいた。 ゴルフクラブの工場といえば、クラブの研磨や接着、シャフトのカット...