2002年 全米プロゴルフ選手権

またしても雷雨サスペンデット。7アンダーでF.ファンクが暫定首位

2002/08/17 09:00
ショットに定評あるベテランのファンクが、暫定首位をキープ。

全米プロ2日目は夕方から雷雲が近づき、午後6時21分にサスペンデッド。初日に引き続き第2ラウンドもその日のうちに終了することはできず、41名の選手が明日午前7時30分から残りホールを消化する。

暫定首位は、初日からトップの座を守っているフレッド・ファンク。4アンダーからスタートしたファンクは前半(バック9)で3つスコアを伸ばし、後半(フロント9)は1バーディ、1ボギー。5番ホールのティショットを打ったところでサスペンデットとなった。ファンクは飛距離は出ないものの、ショットの正確性と安定性は米ツアーで常にトップクラス。昨年のフェアウエイキープ率部門でも3位になった。ツアー5勝だが、メジャーは未勝利の46歳。元大学ゴルフ部コーチで、新聞販売にも携わったユニークな経歴の持ち主だ。

2位タイにはジャスティン・レナードリッチ・ビーム、マーク・カルカベキア、レティーフ・グーセンの4名が並んでおり、いずれも第2ラウンドのプレーを終了している。レナードとビームは初日の22位タイから2位タイにジャンプアップ。2人がマークした66の好スコアはヘイゼルティンナショナルの新たなコースレコード(ロバート・アレンビーも達成)。91年全米オープンでペイン・スチュワートら4人が達成した67を1打更新した。「今朝は風もなく、グリーンも球がよく止まった。このコースが今週の中で最も易しい状態だったと思う」と語るレナードは今年結婚したばかり。ここ数年ずっと取り組んでいたスウィングチェンジも一時休止し、公私ともに気分一新したところでの好ラウンドとなった。ちなみにレナードは97年の全英オープンチャンピオン、ビームは2週間前のジ・インターナショナルでツアー2勝目を挙げたばかりだ。

12番ホール、3Wでアプローチを行うタイガー・ウッズ

今日68で回ったマーク・カルカベキアは6位タイから、69で回ったレティーフ・グーセンは3位タイから2位タイへ浮上した。今朝、第1ラウンドの残りホールを消化した選手は39名。グーセンもその1人だが、「第2ラウンド前にプレーした4ホールがいいウォーミングアップになった。今日の18番のチップインバーディは、ちょっとしたボーナスです」。昨年の全米オープンに続く2つ目のメジャー制覇に期待がかかる。

期待のタイガー・ウッズは、前半はパットが冴え、3バーディを獲得。その勢いのままリーダーボードを駆け上がるかと思われたが、後半はパットのタッチが狂い始め、13番ホールはボギー。17番、18番ホールを残してサスペンデッドとなった。トータル3アンダーは暫定7位タイの好位置。土日での巻き返しは、まだまだ可能性大である。

日本勢では伊沢利光と片山晋呉がプレーを終了できなかった。15番ホールまで終えた伊沢は2バーデイ、2ボギー。初日に引き続きステディなイーブンパーのプレーで暫定24位タイにつけている。「今日はパットが良かったです。(中断は)プレーに支障はないですよ」。2オーバーからスタートした片山は2番ホール、6番ホールのバーディでトータルスコアをイーブンパーまで戻したが、7番ホールのボギーから流れが一転し、14番ホールを終えた時点でトータル6オーバー。現時点(サスペンデット時点)では4オーバーまでが予選通過できると予想されている。明日、残りの4ホールでなんとかスコアを2つ縮めたい。

最後は意地で2連続バーディを奪った丸山茂樹

初日に終了できなかった18番ホールの消化から始まった丸山茂樹の2日目は、出入りの激しい展開になった。18番をボギーとした丸山は、第2ラウンドをダブルボギーで発進後、バーディ、ボギー。その後、3連続バーディ、さらにバーディとしたものの、後半(フロント9)は4ボギー。しかし、最終2ホールをバーディで終了。今日イーブンパー72、トータル4オーバー、暫定59位タイは、おそらく予選通過できると見られている。「本当に今日は空回りでした。まあ、これもゴルフです。でも、よく粘った。(上がりの2連続バーディは)最後ぐらいは意地を見せなきゃと思いました。予選を通過したら、明日はいいゴルフをしたい」。

今日74の手嶋多一はトータル7オーバー、今日77の谷口徹はトータル8オーバーで、ともに予選落ちとなった。早朝に初日の残り4ホールを消化した後、第2ラウンドをプレーした手嶋は、「参りました。いきなり3パット。あんなに(グリーンが)速いとは思わなかった。ミドルアイアンでハイボールが打てるようにならないとダメですね。今回は課題ができました」。谷口はこの試合で上位入りしてワールドランキングを54位から50位以内へアップすることを目指していたが、予選落ちという結果に悔しさを隠せない様子。「やっぱり、いきなり(アメリカに)来て一発勝負だと‥‥もちろん全部が悪いというわけじゃないけど、スタートするとき出鼻をくじくとねえ。もっとアメリカに来る機会を増やさんといけません」。

第3ラウンドは明日午前9時30分以降に開始される予定。ムービングデーと呼ばれる土曜日に、果たして大きな動きは起こるだろうか。

レポート&写真:BEYONDSHIP

衰えを知らぬベテラン。トップと1打差だ!
首位と1打差につけたレナード。メジャー2勝目はなるか?
危なげないプレーで3アンダー。爆発力が発揮されるのは3日目以降か?
メジャー経験は浅いが、先々週の優勝で勢いづいた。週末が楽しみだ。
首位と1打差の2位タイ。グーセンもメジャー上位争いの常連だ。
初日同様、危なげないプレーを披露。伊沢もプレーを終了できなかった。
後半に崩れてしまった。残りホールでの巻き返しに期待。
2日目も雷にたたられ中断、そして日没サスペンデッド。

2002年 全米プロゴルフ選手権