2002年 キヤノン・グレーターハートフォードオープン

全米オープンの雪辱を果たし、ミケルソンが2年連続優勝!

2002/06/24 09:00
家族で味わう4倍の喜び!

最終日の優勝争いは、8アンダー5位タイグループからスタートしたフィル・ミケルソンの浮上により、ジョナサン・ケイ、デービス・ラブ、スコット・バープランクの4名が僅差を競う展開になった。

2番と4番でバーディを奪ったミケルソンは、7番パー4でサンドウェッジで打った第2打を直接カップインさせ、イーグル。この時点でスコアを12アンダーまで伸ばし、単独トップに立った。しかし、続く8番パー3では、短いパーパットを外してボギー。後半に入ると得意のショートゲームが威力を発揮し始め、10番、13番、15番でバーディ。スコアを14アンダーまで伸ばした。

17番パー4ではグリーン右奥のカラー近くから打ったチップショットが寄らず、7メートルを2パットで沈めてボギー。この時点で13アンダーとし、ラブ、ケイと並んだため、プレーオフ突入も考えられた。しかし、ミケルソンは最終ホールで第2打を1.5メートルにつけ、バーディパットをしっかり沈めて今日6アンダー64、通算14アンダーでフィニッシュ。単独トップの位置でラブとケイのホールアウトを待った。

アプローチの行方を追うミケルソン

優勝を争う4名の中では、一歩遅れを取ったバープランクが、まず蚊帳の外になった。ミケルソンのすぐ後ろの組でプレーしていたラブは、1打差の13アンダーで18番のティグラウンドに立ち、ミケルソンがバーディフィニッシュする姿をじっと見つめていた。ラブはなんとしてもバーディを取ってプレーオフに持ち込みたいところだったが、6メートルのバーディパットはカップ左横をぎりぎりで通過し、2パットのパー。ミケルソンを抜き返すことができず、今日67、通算13アンダー2位タイとなった。

プレーオフの可能性は最終組で回るケイの18番次第となった。第2打を7Iで4メートルに付けたケイは、バーディパットをラインに乗せることができず、平凡なパーでラブと並ぶ2位タイで終了。この瞬間、ミケルソンの大会2連勝が決定した。

「13アンダーではプレーオフに残る確率が10%か20%しかないと思い、18番(の第2打)はアグレッシブに攻めた。楽しい1週間だった。この大会初の2連勝を挙げることができて、とりわけうれしいけど、それより何より、18番グリーンに向かうとき、大会をサポートしてくれた地域の人々やギャラリーからの声援を受けたうれしさは大きい」

D.ラブも好プレーを続けたが...

先週の全米オープンで惜しくも優勝を逃したミケルソンは、この優勝で雪辱を晴らし、同時にディフェンディングチャンピオンとして2年連続優勝を果たしたことになる。これでツアー通算21勝目。今シーズンはボブホープクライスラークラシックに続く2勝目。優勝賞金72万ドルを得て、世界ナンバー2プレーヤーの貫禄を見せつけた。

期待された日本人選手の成績は、3日目に8アンダー5位タイグループに付けていた田中秀道が今日71の1オーバーで回り、通算7アンダー13位タイで終了した。出だしからパーでしのいでいた田中は、前半を1バーディ、1ボギーで回り、折り返し後の10番ではバーディを奪って9アンダーまでスコアを伸ばした。しかし、12番ではフェアウエイの真ん中をとらえながらボギーを喫し、続く13番ではティショットを池へ。その後のホールはすべてパーを拾ったが、トップ10フィニッシュとはいかなかった。

「すべて12番(のボギー)からアップアップの状態になりました。12番で、なぜ安全にやらなかったのか‥‥。精神的余裕がなかった。アメリカツアーは厳しい。でも、以前は一旦落ちるとズルズル崩れてしまったのに、今日は立て直すことができた。悔しいけれど、よくやったと思います。今年最高の上位フィニッシュができ、上位に行けることがわかって、今後が楽しみになった。上位入りするためにはメンタル面の充実が大切ですね」

3日目に6アンダー11位タイグループに位置していた横尾要は、3バーディ、4ボギーの71で回り、通算5アンダー、20位タイで終了した。昨日、「最低でもトップ20に入りたい」と語っていた横尾は、その言葉通り、20位タイに入り、4万1714ドルの賞金を獲得。これで横尾の今シーズンの賞金総額は41万ドルを越え、シード権確定まであと一歩となった。

レポート&写真:BEYONDSHIP

トップ10を逃してしまった田中秀道
3ヶ月ぶりに賞金を手にする横尾要

2002年 キヤノン・グレーターハートフォードオープン