【WORLD】PGAツアープロが愛するコース<11位~20位>
Golf World(2012年1月16日号)/PGATOURコースランキング特集(3)
■ 第11位■TPCソーグラス/ザ・プレーヤーズ選手権、フロリダ州(7.96点)
間違いなくモダンなゴルフコースでは最高の場所とされる。1981年にオープンしたTPCのフラッグシップは、プレーヤーたちに「ドラマチック」であり、「いい意味で、プレーしづらい場所」と思われている。「ザ・プレーヤーズ選手権」が5月に移動したことに伴い、暖かい季節向きの芝に張り替える改修工事を称える声が上がっているが、こういった称賛も設計士ピート・ダイの耳には心地よく響いていることだろう。「新しいグリーンになって断然よくなった。よりファームでいいプレーができる」と語るプレーヤーは一人だけではない。開催時期の変更がデザインに好影響を与えた。「今の時季にプレーするようになってかなりよくなった」。「最後の4つのフィニッシング・ホールはツアーで最高」と感嘆するプレーヤーは、アイランド・グリーンを持つ17番ホールについて「コースの中でベストではないが、16番ホールは素晴らしいし、そのよさは語り尽くせない」と、多くのプレーヤーの意見を声高に話す。セッティングの哲学が全長7215ヤードのコースの評価を下げているのかもしれない。中には「正しいセッティングであれば、ラフは必要ない。特にグリーン周りに集中させることはない」と話す。別のプレーヤーは、TPCは「ティム(・フィンチェム)が手を入れすぎたから、エッジの周りが再びラフになってきた」と見ている。このコースを「毎年質が低下している」と信じるプレーヤーは、バンカーの変更を指摘しながら「大嫌い」と話した。ソーグラスは「オーバーシードした方がよりよくなる」と言うプレーヤーもいるが、1982年以来プレーヤーズの舞台となっている舞台でプレーすればするほど、より深い敬意が生まれる。「ダイは天才だよ。自分はかなりやきもきされているけどね」。
■ 第12位■ファイヤーストーンCC/WGCブリヂストン・インビテーショナル、オハイオ州(7.93点)
PGAツアーで揺るがぬ地位を築いたコースは、あるプレーヤーには「正統派過ぎてつまらない」と言われ、あるプレーヤーには「手堅く典型的」と称される。だが、このリストで上位に食い込んでいるにもかかわらず、「非常にセッティングに頼った」レイアウトには否定的な意見が多く渦巻いている。あるプレーヤーは「PGAツアーが8インチのラフを設定したのはクラブのせいじゃない」と話す。1959年にロバート・トレント・ジョーンズが手掛けたコースは、最近何度か改修工事をしているが、「どの改修もすべて悪い方向へ向かっている」という声もあり、ファイヤーストーンを「ゴルフ史上最も過大評価されているコース。オークモントのように木をもっと切り落とすべきだ」とする人もいる。コースの幅の狭さと傾斜が、プレーヤーたちをイライラさせる。「あれだけサイドヒルが多ければ、どちらか一方の足を短くしないと」と話すプレーヤーもいる。その一方で、あまりに狭すぎるフェアウェイに不満を漏らす人も。「自分は本当に真っ直ぐ打つタイプだけど、どうしても打ち切れないフェアウェイが3ホールある。セットアップの問題であって、デザインのせいじゃない」。フェアウェイの堅さがキーだと言う人もいる。「フェアウェイがソフトな時に最高のプレーができる」と語るプレーヤーは、ファイヤーストーンはドライな時は「フェウェイではプレーしづらい」と信じる。そして、ファイヤーストーンを「手堅いテストの場」と見る人も「毎日プレーしたいかは疑問」と話す。
■ 第13位■スパイグラスヒルGC/AT&Tぺブルビールナショナルプロアマ、カリフォルニア州(7.89点)
1967年以来「AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ」の会場の1つとなっている「タフだがフェアな」おなじみのコースは、1967年にロバート・トレント・ジョーンズSr.がデザインし、多くのプレーヤーから尊敬されており、「手は掛かるけど、いいゴルフコース」と評するプレーヤーもいる。別のプレーヤーは、この全長6953ヤードのレイアウトについて「ティからグリーンまで、プレーする中で最高のコース」と称える。プレーヤーたちは「木々の配置がいい」とか「改修された排水システムがいい」とするが、砂丘から始まり、モンテレイの松の木を抜け、アイランドホールで終わるルートに不満を漏らす人もいる。「序盤のホールは素晴らしいけど、その後で森の中に迷い込んだまま、出てくることがない。流れに欠ける」。スパイグラスヒルは「アップヒルのパー4が7ホールあるのと、フェアウェイのど真ん中に木が茂るのを除けば、素晴らしい」と言い、配慮に欠けるとする向きもある。より簡単にまとめると、ツアーの中で「最も過大評価されているコースの1つ」ということだ。
■ 第14位■クエイルホロークラブ/ウェルズファーゴ選手権、ノースカロライナ州(7.87点)
ツアーを9回開催した「美しく」「ソリッド」なコースは、2017年に「全米プロゴルフ選手権」を迎えるが、「目にフィット」し、「過大評価されているが、ツアーの全トーナメントの中では最高」と評される。クエイルホローの“人気”は「サービス、コンディショニング、エステティックの影響」を受けており、「CBSの怠け解説者たちが言うほど素晴らしくはない」と認めるプレーヤーもいる。その理由は?「素晴らしい土地に、そこそこのコースがある」。別のプレーヤーは再設計が必要だと言う。「9点と評価されるべきだが、実際は6点だ。ビル・コール/ベン・クレンショー、もしくはギル・ハンスを連れてきて改修すれば、半年で9点になる」。プレーヤーたちは「一流のコンディショニング」を絶賛するが、グリーンは「時々シビアすぎる」と話す。「誰を責めればいいのか分からないけど、おそらく(トム・)ファジオだろう」と言うプレーヤーがいるのも、ジョージ・コブが1961年に手掛けたコースに、ファジオが手を加えたからだ。「ジム・ナンツはいつも全米オープンを開催できるコースだって言うけど…全然無理だろ」というプレーヤーは、「マヌケな8番ホール」と、「世界屈指のプレーヤーがグリーン右手に打たないようにして四苦八苦する」という「バカげた」17番ホールを指摘する。そして、2017年もすでに視野に入っている。「あそこで8月にPGAチャンピオンシップをプレーするなんて信じられない」。
■ 第15位■シーアイランドリゾート/マックグラッドリークラシック、ジョージア州(7.84点)
この「美しく」「品があり」「スタイリッシュ」なコースは、2015年まで「マクグラッドリークラシック」を開催する。プレーヤーたちは、イベントはもちろん、何度も改修を重ね最近ではトム・ファジオが手掛けた1928年にC.H.アリソン設計でオープンしたコースを称賛する。「プレーするのが楽しい」というのが一般的な反応だが、一方でこの高級リゾートがお気に入りのツアー会場だと言うプレーヤーたちもいる。それでも、高級な雰囲気は誰もが好むというわけではない。「すべてが五ツ星になる前の80年代にプレーしてみたかった」と話すプレーヤーは、当時は「より南部の雰囲気に溢れ、もっと楽しかったに違いない」とする。別のプレーヤーは、最近の会種を問題視する。「セッティングで評価は7点だけど、ファジオが以前に手掛けたデザインを寄せ集めたようなホールがたくさんある」。だが、他のプレーヤーは「現代風にアレンジされた美しさ」だが、全長7005ヤードのシーサイドでプレーするのは「どのTPCでプレーするよりもいい」と話す。
■ 第16位■リッジウッドCC/ザ・バークレイズ(2010年など)、ニュージャージー州(7.82点)
1929年にA.W.ティリングハストがデザインしたコースは、これまで「ザ・バークレイズ」を2度ホストし、2014年に再び開催地となる。プレーヤーたちには「ごまかしが利かない」「素晴らしいショットは報われる」「北東部の個性が強い緑地庭園風デザイン」と称されている。この「素晴らしいレイアウト」は、「左ドッグ、右ドッグ、ショート、ロング」と多彩で「どのホールも同じに見えない」ことが特徴だ。あるプレーヤーは、この全長7319ヤードのコースは「プレーすることが褒美のようなもの」で「ティリングハストという男は自分の仕事を熟知していた」と絶賛する。5番ホールについて「素晴らしくはないが、楽しい短めのパー4」という人たちもいるが、「それでもツアーで見る大半のパー4より断然いい」と話す。最後に、PGAツアーのトッププレーヤー曰く、リッジウッドはショットの価値がすべてだそうだ。「言い古された言葉を使うのは好きじゃないが、“バッグの中の全クラブ”を使えって言うのは、ここでは本当だ」。
■ 第17位■プレインフィールドCC/ザ・バークレイズ(2011年)、ニュージャージー州(7.80点)
2011年に「ザ・バークレイズ」の会場の1つに加わった、この1916年のドナルド・ロス設計の名コースは、通常のコンディションでトーナメントを迎えることができなかった。「期待が高いが、天候のせいで判断しづらかった。それでもハリケーンが近づいていない時に、またプレーしてみたいね」と弁明するプレーヤーもいる。2011年はハリケーン・アイリーンのおかげで、イベントは54ホールに短縮されてしまったが、それでも「いつもプレーしているもの」と比べ、「別の型」から生まれたデザインに気付く人も多かった。プレインフィールドを「新鮮な息吹」と見る一例として、ドライバーでワンオンできる18番ホールを挙げる人もいる。全長6964ヤードのコースの特徴として「ブラインド・ティショット、ブラインド・アイアンショット」を挙げる人もいるが、「効果的だし、ただクールで品のある場所」だと話す。「今ではあまり見ない古き良き北東部の気まぐれなゴルフ」に心奪われるプレーヤーもいるが、プレインフィールドは「自分の好みではない。全部がブラインドで、しばらくすると飽きてくる」と嘆く人もいる。より簡潔にまとめると、こうだろう。「目の前に見えるものが少ない」。だが、「2015年にもう一度試してみよう」と前向きに考える。
■ 第18位■イーストレイクGC/ザ・ツアー選手権 ジョージア州(7.73点)
さかのぼること1913年。ドナルド・ロスが手掛けた画期的なデザインのコースは、「全ショット」を試せると、プレーヤーたちから「手堅い」「楽しめる」「心地よい」と賛美を浴びる。リース・ジョーンズが改修した「ザ・ツアー選手権」の会場について長く考えたあるプレーヤーは「間違ったところが思い当たらない」という結論に達した。あまり熱狂しないプレーヤーもいる。「良質のホールだけど、少しつまらない」。ジョーンズが90年代半ばに始めた改修は、彼が手掛けた他の改修工事ほど手厳しいものではなかった。「リースはこのコースをめちゃめちゃにはしなかったが、ドナルド・ロスの特徴を生かし切ることもなかった」。「何かが足りないけれど、何が足りないのかわからない」というプレーヤーもいる。最近の改修の方がいい反応を受ける。グリーンの芝を張り替えたり、2011年のプレーオフで、ビル・ハースが有名なリカバリー・ショットを披露した17番ホールでは、グリーンをより池に近づけるという現代的なアレンジをした。「最近の改修でコンディショニングは断然よくなった。池に近くなった17番ホールは最高だね」。
■ 第19位■モンテレイ・ペニンシュラCC/AT&Tナショナル、カリフォルニア州(7.71点)
サイプレスポイントとスパイグラスヒルという一流ゴルフコースと並び、17マイル・ドライブに位置する1961年にオープンしたコースは、最近改修工事を行ったが、2010年にAT&Tナショナルの会場としてツアーに加わって以来、プレーヤーから高評価を受けている。「ポピー・ヒルズより断然いい」とするプレーヤーもいるが、プレーヤーの多くは純粋に「プレーするのが楽しい」と話す。2003年にマイク・ストランツが大改修工事を行う前にコースを見たことがあるプレーヤーは、「驚くべき改修工事。以前は普通のコースだったんだ」と話す。あるプレーヤーはショアコースが「今は景色に溶け込んでいる」と言うが、別のプレーヤーは「セッティングは美しいが、ショットの価値はそれほどでもない」とする。最大の不平は終盤のホールについてだ。「17番と18番はまだ全然よくない…あのフィニッシング・ホールが改善されなければ素晴らしいコースにはならない」。「本当の戦略的なホールは3つか4つじゃないかな」というプレーヤーもいれば、芝生の選択に疑問を抱くプレーヤーもいる。「ベント芝のフェアウェイは嫌いだ。転がしを多用するならフェスキューが適していると思う」。
■ 第20位■ワイアラエCC/ソニーオープンinハワイ、ハワイ州(7.63点)
「騙されたと思うほどタフ」な「ソニーオープンinハワイ」の会場は、「すべてのホールが曲がっていて、長い距離を飛ばすのではなく、正確なショットをするプレーヤーに有利」なため、「ショットメーカーのためのコース」として人気を呼んでいる。ワイアラエはツアー屈指の「打ちづらいフェアウェイ」を持つ。特に「強風とドッグレッグがある…好きだけどね」。1927年にセス・レイノアとチャールズ・バンクが設計したコースは、あるプレーヤーは「素晴らしい典型的なコース」と言うが、全長7044ヤードのワイアラエは「短くてタイトすぎる」という一般的な意見が多く「平均的な土地にある平均的なコース」と見る向きもある。最近の改修とアップグレードされたメンテナンスを指摘する声もある。ある人は「最高の改修」とし、またある人は「ツアーで最も改善されたコース」という評価だ。プレーヤーたちの相違はこの言葉にうまくまとめられている。「飾ったところは何もないが、非常に正統派でどのレベルのプレーヤーも楽しめる」。
米国ゴルフダイジェスト社提携
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