製品スポットライト: SIKゴルフの「ディセンディング・ロフト・テクノロジー」とは?
ゴルファーのバッグに入っているその他の13本のクラブとは異なり、パターの新しいテクノロジーは希少性が高い。もちろん、新たな形状や異なるヘッドデザインは常に市場を賑わせており、各モデルには盛衰があり、斬新なインサート素材も生まれている。だが、完全に独自のフェース技術が盛り込まれたパターとなると、どれくらいの頻度でお目にかかれるだろうか?
SIKゴルフは、「ディセンディング・ロフト・テクノロジー(DLT)」を搭載したパターのシリーズで、正にそれをやってのけた。
読んで字のごとく、ディセンディング・ロフト・テクノロジーとは、パターのフェースのロフトが、上部から下部に向けて“ディセンド(下降)”することを意味する。さらに詳しく説明すると、このSIKパーターのフェースには、4つの平面がパターフェースにミーリング加工されており、各平面のロフトが1度ずつ(4度から1度まで)低くなっているのである。
では、なぜそうなっているのか。一言で説明すると、一貫性ということになる。
アドレスからインパクトにかけて、一貫してパターのシャフト角度に対して完璧に合わせられるゴルファーはない。パターフェースからの打ち出し角にばらつきが生じ、距離感の狂いに繋がってしまう。DLTには、シャフトの傾きに関係なく、より一貫性のある打ち出しを実現することで、これを防止する狙いがあり、結果として、ボールはホールに寄るのである。
DLTについて、SIKの担当者は次のように述べている。
「ディセンディング・ロフト・テクノロジーには、アドレスからインパクトにかけて(シャフトの操作かボール位置の変化により)生じ得るシャフトの傾きのばらつきを補正する狙いがあります。パターには、4つの平面があり、上部から下部にかけてロフトが低くなっています。例えば、ボール位置を若干スタンスの後方寄りにした場合(あるいはロフトを前傾させた場合)、ボールはフェースのより上方でインパクトします。従来のパターでは、ボールはマイナスの角度で打ち出されますが、DLTはクリーンにセンターヒットした時と同じように打ち出します。これの逆もまた然りです。DLTを使えば、インパクトで一貫して適正ロフトで打つことができるのです」
さらにSIKが提供するのはバラエティの豊富さであり、全てのパターは全てのネックと組み合わせることができるのである。ヘッドは5種類、ホーゼルは6種類あるので、間違いなくどんなゴルファーにもオプションが用意されているといえる。Proヘッドにプランバーネック、DWヘッドにスウェップネック、あるいはFloヘッドにダブルベンドなど、組み合わせは自由自在である。
「我々は、一般的なゴルファーに、標準のセットアップでのカスタマイズに最大限の幅を提供するべく、Cシリーズを開発しました」と、SIKの広報責任者、テイラー・フィンレイ氏は述べた。「通常、ヘッド形状が気に入ったら、ホーゼルはそのヘッドにもとからついている物を使用します。我々は、最良の適合を実現する上で、これは良くない方法だと思いました。したがって、伝統的なブレード形状が好きなら、プランバーネック、スラントネック、スウェップネック、ダブルベンド、あるいはアームロックホーゼルを選ぶことができます。これは、このパターのシリーズ全体に言えることです」
シックの各モデルに関する詳細は以下の通り。
Pro:最もポピュラーなSIKのデザインで、伝統的なアンサースタイルのパター。
DW:Proに似ているが、奥行きの長さが伝統的なアンサースタイルのパターデザインの2倍になっており、より高い慣性モーメントと安定性をもたらす。
Jo:ProとSho(後述)よりも若干重く、ヒールからトゥにかけてProよりも若干短い。
Sho:半月型のShoは、SIKによるミッドマレット型のパター。ネックとの組み合わせにより、Shoの重量は350gから370gの間になる。
Flo:シックの大型マレットである「Mo」の改良版であり、Floは高慣性モーメントで低重心となっている。プランバーネックでは415g強、ダブルベンドでは390g、そしてスラントネックでは400gとなる。
上記に加え、Pro、DW、そしてFloモデルは長いシャフト(スチールかLAGPグラファイト)のアームロック式、そしてMXかSIKグリップでの使用も可能となっている。SIKのPro Cシリーズのアームロックは、ブライソン・デシャンボーが2020年「全米オープン」を制覇した際の使用モデルであり、現在も使用している。
(協力/GolfWRX、PGATOUR.com)