2014年 全英オープン

“ゾーン”に入ったマキロイが首位をキープも…週末から天候悪化の予報

2014/07/19 12:01

By Helen Ross, PGATOUR.COM

特異の異次元プレーへ?マキロイは今季相性の悪い2日目を乗り越えた(Stuart Franklin/Getty Images)

ロリー・マキロイが「全英オープン」で“ゾーン”に入った。

コングレッショナルで開催された2011年の「全米オープン」で2位と8打差をつけ圧勝した時のように。そしてキアワアイランドで2012年に開催された「全米プロゴルフ選手権」で、強風が吹くコンディションの中、首位と2打差から逆転し最終的に8打差で勝利してみせた時と同じように。

北アイルランド人は、ロイヤルリバプールでの2日目も自信を漂わせながらフェアウェイを歩き続けた。その立ち振る舞いからは、事前に良いショットを打てると確信していたようにも見えた。

実際マキロイは前日に続いて「66」を記録し、2位のダスティン・ジョンソンとは4打差で単独首位をキープ。このアメリカ人はマキロイを射程圏内にとらえるために好スコア(『65』の7アンダー)が必要だったほどだ。

マキロイがキャリアグランドスラムに王手をかけられるかどうかは、ホイレイクの予測不能な週末の天候に左右されるだろう。2年前にサウスカロライナのキアワアイランドで体験した条件に近いかもしれない。

天気予報によれば、明日は早い時間から天候が崩れ、雷を伴う嵐になり、土曜日の夜まで強風や大雨になる可能性もあるとか。

悪天候が予想されるため、大会側も過去に前例のない方法で3日目を乗り切ろうとしている。1番と10番から3サムでスタートさせることで、可能な限り3日目のラウンドを終わらせることを決めた。それでもマキロイはまったく動じていない。

「ここ数週間はリンクスを想定した環境で練習していたから、どういうコンディションになっても準備は出来ている。それに2位と4打差という状況も悪くない。捕まえるのは簡単ではないからね。どんな天候になっても気にならない」と話したマキロイの声色は落ち着いていた。

精神状態も鍵になるだろう。マキロイは過去に何度となく精神面の弱さを露呈してきたが、金曜のように自信を持ってプレーし、ボビー・ジョーンズがグランドスラムを達成した時と同様にリンクスを攻略出来れば、マキロイは最高の試合を見せてくれるはず。

土曜日に首位固めをする必要はあるものの、マキロイは以前も似たような“流れ”に乗ったことがあった。

「どう言えば良いのかわからない」。2日目のラウンドの感想を求められたマキロイは、続けてこう答えた。「ゴルフコースで心を平静に保てているとでも言えばいいのかな。今は快適にプレー出来ているし、自分が今やっていることを気持ちよくやれている。こういう感覚を頻繁に得たいぐらいだよ」。

リッキー・ファウラーがマキロイと初めて出会ったのは2007年にロイヤルカウンティダウンで開催された「ウォーカーカップ」だった。ファウラーは当時からマキロイについて、「成長し続けるタイプ」という印象を持っていたという。

大会終了後にプロに転向したマキロイは、それから2年後の19歳でプロ初勝利を挙げた。以降は大西洋を挟む2大陸で合計12勝を記録し、今週ロイヤルリバプールで大きな1勝を手にしようとしている。

プロ転向前からマキロイを知るファウラーは、「彼のプレーや、成長を続ける姿を見るのは面白いね。期待に恥じず、上手くプレーしていると思う」と語った。

ファウラーも周囲からの期待を受けてきた選手だ。アマチュアでトップ選手となり、プロ転向後2年目の2012年に「ウェルズファーゴ選手権」でツアー初勝利を記録。

オクラホマ州立大出身は、今シーズンの「マスターズ」で5位タイ、「全米オープン」でも2位タイと、メジャーで好成績を残し、そしてロイヤルリバプールでも2日続けて「69」とし3位タイにつけている。

ファウラーは、「今週は今までで間違いなく一番快適にプレー出来ている。周囲から優勝争いに絡むと期待されているのもわかっているし、自分も優勝を狙っている。良い調子でやれているし、メジャーの週末を上位で迎えられて楽しいよ」と語った。

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