ドナルドに好結果をもたらしているコーチ変更
By Brian Wacker, PGATOUR.COM
ルーク・ドナルドは昨年終盤にコーチを変えた。理由は、メジャー大会のような厳しいコンディションでも上位で耐えるプレーをしたかったからだという。
「マスターズ」は1週間前に終わってしまったが、複数の河口が注ぐカリボーグ湾のヒルトンヘッドアイランドで開催されている「RBCヘリテージ」も、ウェットで低気温なコンディションのため決して難易度は低くない。
ドナルドはハーバータウンGLでの3日目、この日のベストスコア「66」を記録し、2位のジョン・ハーに2打差をつけて単独首位に立った。
ドナルドにとっては2年ぶりにPGAツアーで優勝するチャンス。そして3年前にプレーオフの末に敗れた大会でリベンジを果たす絶好の機会を手にした。
「特に自分はだけれど、前回の優勝からだいぶ時間が空いてしまうと、選手は不安になるものだよ」。
元世界ランク1位は続ける。
「自分を世界ランク1位に導いてくれたパット(・ゴス)に不満があるわけではないんだ。過度なプレッシャーがかかり、コースのセットアップが本当に厳しいメジャーで、以前よりも良いプレーがしたいと思っただけ。必要な時にフェアウェイにボールを運べて、パーオンを取れるプレーが必要だったんだ」。
ハーバータウンでの3日目までを終え、まさにドナルドは必要だったことを実行している。42ホール中30ホールでティショットをフェアウェイに運び(出場選手中15位)、54ホール中39ホールでパーオンに成功している(同2位)。
この日は大雨でサスペンデッドとなった前日の影響で、およそ半数の出場者が午前中に未消化のホールを終えなければならなかったものの、ドナルドは前日すべてのホールを消化していたアドバンテージを生かした。
コースに立つやいなや、ドナルドは順位を上げ始めた。
パー5の2番では2打でグリーンに乗せると、7メートル弱のパットを沈めてイーグルを奪取。その後5ホールで3ボギーを叩いたが、ラスト11ホールで5バーディを記録して挽回。8番以降は難易度の高い18番まで1度もパーオンを逃さず、最終ホールもパーセーブに成功した。
「チャック(クック)の指導で、以前よりも身体の中の大きな筋肉を使えるようになったと思う。ここ数日間、グリーンの小さなコースでそれを生かせているように思うね。今日は3ホールか4ホールでパーオンを逃したけれど、ここのようなコースで成功を収める秘訣だよ」。
<再び優勝の可能性を手にして最終日を迎えるクーチャー>
最近出場した3大会でトップ5に入ったマット・クーチャーに足りないものは、ただ1つ。優勝だ。
最近もっとも優勝に近づいた瞬間はヒューストンでの「シェルヒューストンオープン」。首位で最終日を迎えながらも、6打差から追ってきたマット・ジョーンズにプレーオフにもつれこまれた。プレーオフ1ホール目でジョーンズがチップインバーディを決め、劇的な形で逆転優勝を果たしたのだ。
今大会のクーチャーは首位を追う形で最終日を迎える。土曜日を「70」の1アンダーとし、首位のドナルドに4打差の7位タイで最終日を戦うことになった。
先週の「マスターズ」を5位で終えたクーチャーは、「これまで3回は優勝するチャンスがあった。少しビハインドの状態で最終日を迎えるけれど、その方が面白い」とコメント。
クーチャー自身が面白く感じていないのは、最終ラウンドでの成績。最終日に残している平均ストローク数「71」という数字はその他のラウンドで残している数よりも多く、PGAツアー全体では86位。
<最大の難所は18番>
3日目のラウンドで最も難易度が高かったホールは18番。ティからグリーンまで441ヤードの距離があり、左の池から吹く風に多くの出場者が苦しめられた。
そんな中、同ホールでバーディを記録したのはクリス・カークとジェイソン・コクラックの2名のみ。この日、その他の出場者が記録した「52」のパー、「19」のボギー、「5」のダブルボギー(またはそれより悪い)という結果と比較してみても、難易度の高さが理解できる。18番ホールでは平均4.36打を要した計算になる。
78打のセカンドショット中、グリーンをとらえたのは僅かに20打のみ。その際のカップまでの平均距離も約19メートル弱と、その他のホールより高い数字が記録された。
絵に描いたように難しい最終ホールだが、大会を通して最も出場者を苦しめているホールは14番ホール(192ヤードのパー3)となっている。。
<優勝候補有力選手>
・昨年の「RBCヘリテージ」を優勝したグレーム・マクドウェルは、未消化としていた2日目の残りを土曜日の午前中に終え、第2ラウンド「69」で予選を通過。1993年大会でデービス・ラブIIIが予選落ちとなって以来、21年連続して前年の優勝者が予選通過を果たしている。3日目を「72」としたマクドウェルは、首位と7打差で最終日を迎える。
・3日目を「68」の3アンダーでフィニッシュしたチャール・シュワルツェルは3位タイに浮上。2011年の「マスターズ」王者は、2007年のボブ・ウィークリー以来初、今大会史上6人目の初出場初優勝を狙える好位置につけている。
・昨年の全米アマチュア王者マシュー・フィツパトリックは、のーボギーの「69」とし、通算2アンダーで16位タイに浮上。19歳の英国人が今年出場した大会は「マスターズ」と「アーノルド・パーマーインビテーショナル」で予選落ちとなっている。