「WGCアクセンチュアマッチプレー選手権」4日目振り返り
By Helen Ross and D.J. Piehowski, PGATOUR.COM
BOBBY JONES BRACKET
<勝者:J.デイ 2&1 L.ウーストハイゼン>
接戦の末にデイがリードを守りきった。ルイ・ウーストハイゼンは1番でサボテンに捕まってコンシードし、早速ジェイソン・デイが1アップ。南アフリカ出身のウーストハイゼンは続く2、3番で連続バーディとして逆転すると、デイも4、5番でバーディを奪い再び1アップ。昨年の大会で3位となった若きオーストラリア人選手は9番で2メートルのバーディパットを沈めて2アップと差を広げ、パー5の11番ではウーストハイゼンがフェアウェイのバンカーに落としてコンシードしたことで3アップに。同じくパー5の13番では、デイがコンシード。3打目をグリーン奥のバンカーに入れてしまい、グリーンまでさらに2打を要した。ウーストハイゼンはこのホールでティショットを打った後、芝生に寝転んで腰をストレッチしてもらっていたが、2オンに成功していた。第8シードのウーストハイゼンは、続く14番、第2シードのデイのタップインをコンシードした後、5メートルのパットを決めてドロー。さらに15番で4メートル弱のバーディパットを決めてプレッシャーをかけたが、デイも2メートルのパットを決めて2アップのリードを維持。16番ではデイが16メートルのロングパットを50センチショートして、リードを広げられず。ウーストハイゼンにチャンスが訪れたかと思われたものの、こちらも8メートルのバーディパットをミスした。デイの2アップは変わらないまま迎えた17番でも、デイがパーオンに失敗したため、全英オープン優勝経験のあるウーストハイゼンにもまだ勝機はあったが、12メートルのバーディパットを失敗。デイが1.5メートルのパーパットを沈めて勝利を決めた。
デイの話:「良いプレーが出来た。ルイは腰を痛めていたようだけれど、そうは見えなかったね。良いプレーヤーとの対戦は難しいから、何も考えずにプレーするだけ。結果は後からついてくるもの。彼も自分も、今週を通して良いプレーをしている。勝ててうれしいよ」
ウーストハイゼンの話:「今朝は練習場からさほど良い感じではなかったので、少し残念に思った。ラスト5ホールは大分良かったかな。良いプレーが出来ている時ほど腰痛が起こるから辛い。アドレスで良い姿勢を取って対処しないといけないね。良い感じでプレー出来ていたけれど、ジェイソンのような選手を相手にリードを奪われたら、逆転するのは難しい」
次戦の相手:リッキー・ファウラー
BEN HOGAN BRACKET
3日続けてリードされたままバックナインを迎えたジム・フューリックだが、今回は逆転出来なかった。序盤から調子の良かったリッキー・ファウラーは1番、2番、そして4番でバーディとし早くも3アップ。6番でボギーを叩いたファウラーに対し、第5シードのフューリックは7番で9メートルのバーディパットを決めて1ダウンまで挽回した。第14シードのファウラーも9番と11番でバーディを奪い再び3アップにリードを広げたが、フューリックも諦めず粘りをみせる。13番でバーディを奪って勝利すると、3連続バーディとしてオールスクエアに持ち込んだ。そして続いて迎えた16番ではファウラーがボギーを叩いたことで遂に逆転(1アップ)。しかし、フューリックはリードを広げられず、17番でパーオンを逃し、2パットのボギーでスコアは再びオールスクエアに。 42歳のベテランは最終18番でアプローチに失敗し、ボールはグリーン手前の傾斜を下って芝のないエリアまで転がり落ちた。対してファウラーは確実にグリーンをとらえ、1メートルのパットを沈めてバーディ。フューリックはチップイン出来ず、ファウラーが接戦を制した。
ファウラーの話:「良い形でスタートを切れたけれど、相手に追いつかれてしまった。ジムも13番から16番までは圧巻だった。3連続バーディに加え、16番はナイス3オンだったからね。きょうは厳しい戦いだった。彼がチャージしてくるのはわかっていたから、とにかく冷静にプレーしないといけなかった。バーディを続けるのは簡単なことではないからね。マッチプレーでは、2ホールを残して1ダウンという状況は悪くない。それまでの16ホールのことで悩んだりせず、ラスト2ホールに集中してプレー出来たよ」
フューリックの話:「正直に言って、終盤の結果にはがっかり。良い流れでプレー出来ていたのに、17番と18番でフェアウェイをとらえられなかった。簡単に勝負を諦めたとは思っていないけれど、ラスト2ホールはあっけなさすぎた」
次戦の相手:ジェイソン・デイ
GARY PLAYER BRACKET
アーニー・エルスは、ジョーダン・スピースよりも24歳年上で、今週は調子を落としてもいたが、いずれも勝敗には何の影響も与えなかった。エルスは今週のベストスコアをマークし、スピースを撃破。最初の2ホールで続けてバーディを奪い1アップとすると、7番ではボギーを記録しオールスクエアとなったものの、それ以降はノーミスでリードを拡大した。本人いわく前日までとの最大の違いは、大幅に改善されたパッティングだったという。エルスは試合後の会見で、土曜日のピン位置は難易度が高く、ミスをした方が負けるバトルだったと語った。パッティングをアドバンテージに勝利したエルス(第8シード)は、2001年以来となる準決勝進出を果たした。
エルスの話:「(準決勝は)今週を通して初めて早い時間にプレーするけれど、勝ちたい。幸運にもまだ大会に残れているので、明日も良い結果を残したい。まだツキは残っていると思うから」
スピースの話:「自分のスイングが出来なかったし、気持ちの面でも弱腰になってしまった。クラブを放ったり、キャディに泣き言を言ったりしてしまったからね。今日のようなことをしていてはマッチプレーでは勝てない」
次戦の相手:ビクトル・デュビッソン
SAM SNEAD BRACKET
土曜日まで今大会で1度もリードを奪ったことがなかったグレーム・マクドウェルが2番、3番と勝利し早くも2アップとした。北アイルランド出身のマクドウェルは、バックナインで”お馴染み”のスポットに落ち着いたが、雌雄が決したのはラスト3ホール。しかし、勝ったのは絶好調のフランス人選手ビクトル・デュビッソンだった。第7シードのデュビッソンは、今回が「WGCアクセンチュアマッチプレー選手権」初出場ながらも、序盤の劣勢を4番、7番、9番のバーディで跳ねのけ、1アップと逆転してバックナインへ。追う側となったマクドウェルは、11番にバーディを奪うと、この日唯一デュビッソンがボギーを記録したパー5の13番でオールスクエアに戻した。23歳のデュビッソンは16番でパーを記録し1アップ。マクドウェルは2メートルのパットを外してリードを許し、17番では両者パーオンに失敗して引き分け。デュビッソンの1アップで最終18番を迎えた。デュビッソンのアプローチはグリーン手前に落ち、刈り込まれたエリアに転がったが、素晴らしいチップショットでホールまで45cmのところに寄せ、マクドウェルにプレッシャーをかける。SAM SNEAD BRACKET第4シードのマクドウェルは7メートルのバーディパットをミスし、昨年暮れに欧州ツアー初勝利を挙げたデュビッソンが準決勝に駒を進めた。
デュビッソンの話:「18番でのショットはグリーンに残ると思っていたのに、スピンがかかってグリーンから外れてしまった。自分が狙っていた場所から外れたので驚いたよ。あの位置からのチップが難しいのはわかっていた。でも、ショートゲームには自信があった」
マクドウェルの話:「こういう形で終わってしまい残念。今日まで残れたのはラッキーだったとは思うけれど、今日は良いプレーが出来ていたからね。パターの不調で煮詰まってしまった」
次戦の相手:アーニー・エルス