羽川豊の全米オープン生レポート/P.ミケルソン、悪夢の18番!それはティグラウンドから始まった!
全米オープン最終日
終わりました。「全米オープン」らしい大会でしたし、終わり方でした。ニューヨークのギャラリーはフィル・ミケルソンの優勝を期待し、盛り上がっていましたが、そう簡単には優勝させないのが「全米オープン」です。
14番でミケルソンがバーディを奪ったときは、私もそうですが、周囲もミケルソンで決まりかな!?と思いました。ツキもありませんでしたね。16番のバンカーが目玉になったり、18番のセカンドも木に当たって真下に叩き落とされたり・・・。その18番を少し振り返ってみましょう。
4オーバーの単独首位で最終ホールのティグラウンドに立ったミケルソンは、キャディとスコアの確認をしていたのです。前の組でラウンドしているジェフ・オギルビーがパーで上がり、自分と1打差の5オーバーにいることを。
特別距離の長いホールではありませんが、グリーン周りが難しいので少しでも飛ばそうとしたのですが、ティショットは思いっきり左にいってしまいました。考えられないくらい曲がりましたよ。ホスピタリティテントの階段に当たって、右に跳ねて、人に当たって、そしてラフに落ちたんです。
ボールが少し埋まった状態で、高い球は打てる状況ではなかったのですが、ミケルソンらしい果敢な攻めが出ましたね。少しでも前に進むことを選択したのです。セカンドショットを打った瞬間、ミケルソンの顔と周囲のギャラリーの表情が一瞬にこわばったのです。あとは、全米オープンらしい結末が待っているだけでした。
練習ラウンドから思っていましたが、このコースを制するにはダブルボギーを叩いてはダメ。優勝したオギルビーはダブルボギーを叩いていませんが、ミケルソンは最後72ホール目にやってしまいました。まさに、その差が勝敗を分けた形になりましたね。
羽川豊(はがわ ゆたか)
セントラルスポーツ所属。栃木県出身。専修大学時代に朝日杯全日本学生選手権4連覇。ツアー通算5勝。1982年「マスターズ」15位タイなど。現在はゴルフトーナメン トの解説や自身のゴルフサロン「HAGAWA YUTAKA GOLF SALON」でレッスンを行っている。