日本人選手が勝つと経済効果は○○○○億円!/マスターズ
ゴルフ用品市場の影響は?
日本人選手が「マスターズ」で優勝を挙げる快挙を達成すれば、当然ながらテレビ・新聞・ゴルフ情報誌など各マスコミ媒体への露出が連日のように続くことだろう。
それは、プレーヤーが身にまとうウェアやサンバイザー、使用するクラブなどの露出も格段に増えることを意味する。
メーカーもこのビッグチャンスを機に告知活動に奔走することが予想され、ゴルフ用品市場全体に大きな影響を与えると考えられる。
例えば、他メーカーとの熾烈な争奪戦を制して石川遼とクラブ用品使用契約を交わしたヨネックスは、今年は前年比の3倍の売上げを見込んでいると発表した。
契約選手の人的価値が上がれば、ユーザーが抱くメーカーへの信頼度やイメージもアップする。
特に若い世代は、一世を風靡するゴルファーへの憧れから同じメーカーのクラブを選択しやすいだろうし、使用しているアクセサリーを真似たい衝動にも駆られるだろう。
これら局部的なゴルフ市場の活性化は、ゴルフ用品市場全体へも相乗的な影響を及ぼし、計り知れない経済効果を生み出すことが予測される。
短期的なゴルフ人口の増加傾向
ゴルフ人口(1年間にゴルフ場で1回以上プレーする人口)は、1994年時の2000万人をピークに、その後衰退している。2005年に当時の半分、1000万人まで減少し、2007年には900万人を下回ったともいわれている。この減少傾向を止めるには、第3次ゴルフブームの到来が必要なのかもしれない。第1次(中村寅吉、河野高明がカナダカップ優勝)、第2次(青木功、ジャンボ尾崎、中嶋常幸、AONの全盛期)に続くゴルフブーム。マスターズなど海外のメジャーで日本人選手が優勝することがその原動力になる可能性が高い。例えば、今年出場する片山晋呉、谷口徹が優勝することで、1年後には1000万人台まで回復することも期待できそうだ。
日本ツアーの視聴率も上昇するか?
視聴率は、トーナメントにどれだけの関心が寄せられているかを示す指標のひとつ。「マスターズ」で日本人選手が優勝した後、その数字にどれ程の影響を及ぼすのだろう。比較対象として、昨年の石川遼を例にとって見よう。昨シーズン、優勝を飾った「マンシングウェアオープンKSBカップ」後は6試合に出場。「東海クラシック」最終日に昨年比3.8%増の7.4%を記録(数字はビデオリサーチ調べ、関東地区、番組平均世帯視聴率)するなど、平均で約1%上昇した。これは、昨年の視聴者に加え、関東地区だけで約17万1000世帯のお茶の間に放映されていたことを示している。「マスターズ」優勝選手の付加価値を考えれば、視聴率で石川と同等、もしくはそれ以上の効果が現れることは必至。新たにゴルフに魅入らされた人達がクラブを買い、観戦に、プレーをしにゴルフ場へ足を運べば、波及的に多方面への市場拡大が期待できるはずだ。
ギャラリー数はどれだけ増加する!?
国内ツアーのトーナメント入場者数(ギャラリー数)は、ここ10年間で下記のグラフのような推移をしてきた。グラフは1試合あたりの平均入場者で、水色が男子、紫色が女子ツアー。2001年には、男子が女子の約2倍だった。しかしその後、序々に入場者数は減少。
宮里藍の登場に伴い、女子ツアーの人気が一気に上昇すると2005年には平均の数値が逆転。
ところが昨年、彗星のごとく現れた石川遼の活躍で再び男子が女子を大きく引き離す結果となっている。男子で最もギャラリー数が多かったのが2001年。この年はマスターズ初出場の伊澤利光が、優勝争いに絡む活躍を見せ、堂々の4位タイに食い込んだ。帰国後も好調を維持し、年間5勝を挙げ賞金王にも輝いた。
伊澤のように、春先のマスターズで日本人選手が好成績を残すことで、そのシーズンの入場者数は大きく変わってくる。
日本人選手が優勝し、グリーンジャケットを羽織って帰国することになると、今後のギャラリー数は2001年を軽く超える数字を生み出すはずだ。