テーラーメイドが1試合4,000ドルのボーナスを支給
マイク・ウィアはメルセデス・チャンピオンシップ出場にあたって、新しく替えたアイアンが気がかりだった。プロゴルフ界の短いオフの間に、ウィアはホーガン・エイペックスプラスのブレードからテーラーメイドの300フォージドに替えて、1月2日のプロアマで初めて使ったのだ。
「それで優勝したこともある道具を替えたんですから当然でしょうけど、心配でした」
小柄なサウスポーのウィアはそう言っていたが、結果はまったく問題などなかった。カパルアのプランテーション・コースでの今季開幕戦、その最初のラウンドが10アンダーの63。ものにした10個のバーディパットのうち最長が2m強だったのだから、いかにアイアンショットがよかったかがわかる。決まらなかったバーディパットがあと5つあって、それさえ1.5~2.7mだったのだ。結果として14位タイに終わったウィアだが、道具を替えたことは成功といえるだろう。
8位に終わったスコット・バープランクも去年とは違うアイアンで初戦に臨んでいた。バープランクもテーラーメイド300アイアンに替えたひとりだ。今週のソニーオープンでPGAツアーはフルに始動するが、この2人のアイアン変更はテーラーメイド社がアイアンの販促に資金を投入し始めたことを如実に物語っている。去年は試合でテーラーメイドのドライバーを使うプロにはその試合ごとに1,000ドルが支払われ、予選を通過すればさらに1,000ドルが上乗せされた。それと同じ方式が今年はアイアンにも拡大されたのである。セットで使用すれば予選を通過すると4,000ドルのボーナスが入ることになる。300シリーズのアイアンは去年発売されたが、年間を通して使おうというツアープレイヤーには最低5万ドルのオファーがなされているというのが、ある業界筋の情報である。
2001年シーズンを賞金ランク10位という堂々たる成績で終え、メルセデス・チャンピオンシップでも3日目に首位タイにつけた好調のバープランク。去年まで使っていたゴルフスミスのフォージドを替えるつもりはなかったと言うことだが、年末の契約更改にあたってバープランクとゴルフスミスの交渉がまとまらず、メルセデスのプロアマでテイラーメイドを初めて使った。
「契約が切れる前になんとしてもいい成績を出しておきたかったんです。だってウン百万ドルの契約金、欲しかったですからね。それで、結果としてはお払い箱になりました」
そう言って笑うバープランクだが、メルセデスの時点ではテーラーメイドのオファーにサインしてはいない。(GW)