米国男子ツアー

【WORLD】夢のルーツ/ジェイソン・デイ ストーリー

2012/05/02 10:21

Golf World(2012年3月19日号) texted by Dave Shedloski

デイは2011年のザ・プレジデンツカップで世界選抜の一員として戦った。隣はエリー夫人。

そんな傍ら、彼の見方をちょっと変えるのが家族の存在だ。デイの妻エリーは7月に第1子を出産予定でいる。2人はオハイオ州ツインズバーグのレストランで出会った。スワットソンの友達がゴルフスクールを作る手伝いをしているところからそう遠くないところだ。そして2009年に結婚した。昨年、エリーはダラスからオハイオ州コロンバス郊外に引っ越すことを提案し、自然が息づく場所で、2人は静かに中西部のライフスタイルを満喫している。

「家にいる時、僕は赤ん坊みたいなんだ。何もしたくない」と告白するデイ。「退屈だけど、退屈なら悪いことは起こらない。これは学生時代からそうなんだ。僕を邪魔するような人がいたら、イライラしてしまう。彼女のサポートは本当に素晴らしい」。

コース外のデイが少々ドライなタイプと思われているなら、それはちょっと違うだろう。彼が野球の有望選手だとしたら、スカウトはみな万能選手と評価するはずだ。スワットソンが「ニュートラル」と呼ぶパワーとコントロールのあるスイング。ショットの精度、スクランブル、パッティングタッチにおいても素晴らしい。ゴルフにおける洞察力と分析できるマインドもあり、頭脳明晰で成熟している。

タイガーは、「世界ランクトップになる才能が彼にあるかって?もちろんだ」とプレジデンツカップの時に太鼓判を押している。「距離も出るし、パターも素晴らしい。(ゴルフに対する)姿勢も正しい。トップになるのは時間の問題だ」。

デビッド・トムズもこれに賛成している。「去年、プレーヤーズ選手権の予選ラウンド2日間を一緒にプレーしたけど、彼はコースで自分のプロット(計画)をしっかりと持っているんだ。全米オープンでは、ショットの調子は最高じゃなかったのに、どこからでもパーセーブしてくる。あれは若い連中にはあまりない才能だ。彼は正しくゴルフをしている。練習でショットを磨き、試合でベストショットを打ってくる。若い頃のタイガーを思い出させるよ」。

世界ランキングでは上位につけたデイだが、2011年は堅実なだけだったと口にする。子供のころにランチを買うために友達に10セントをせびっていたのに、396万ドルも稼ぎ「銀行口座を見たけど、信じられなかったよ」と本当に不思議そうに首をかしげる。でも、満足しているわけではない。オフシーズンはスイング強化のためにジムで多くの時間を過ごした。

だが2012年はここまで、12月から悩まされている腰痛のためカタール・マスターズの2位タイが最高の成績だ。しかし大切なのは、未だオーストラリア人チャンピオンが生まれていないマスターズ。昨年は南アのチャール・シュワルツェルに負けて2位タイとなったデイとスコットが一番優勝に近かった。デイは、このチャレンジに臆すことなく上がり2ホールでバーディを奪った。デニングは、このシーンをブリスベンの自宅で観ていたという。そして彼女は誇りに思った。「でも、まだ彼にはやるべきことがいっぱいあるわね」。

「追い込まれた大事な状況で、活躍するのが好きなんだ。そこで素晴らしいショットが打てるのか?その才能があるのか?自分のレベルがどこなのか?」。これらがデイの見解。

そして?

「まだまだやるべきことがあることを学んだんだ」。そう、まずはそれらを克服しないことには、上にはいけないのだから。

米国ゴルフダイジェスト社提携
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