「ザ・ツアー選手権」丸山速報最終日/「イライラしたら負けだけどそれがゴルフ」
6番アイアンで放った11番パー3のティショットはグリーンに跳ねてからピン目掛けて転がった。「入っちゃえ!」そう祈る丸山茂樹のボールは5cmピンを外した。このショットに象徴されるかのように、「ザ・ツアー選手権」最終日で丸山は好内容で米国ツアー5年目を締めくくった。終盤まで4バーディ、ノーボギー。最後につかまり2打落としたが、それでも満足した清々しい表情で最終ホールを引き上げた。
「いい1年ですよ。こんなところにいられること事態がすごいことなんだから、それをもっと分かって欲しい。みんなここに入りたいんだもん」と、丸山。
前半は2バーディノーボギーで周ったのだが、スコアを崩していてもおかしくなかった。3、4、5番のパー4ではフェアウェイをキープできなかったが、グリーン周りのテクニックでカバーした。
特に5番のティショットは杉の木の前に止まり、更に前方左には木が立ちはだかった。グリーンとの最短距離を狙うには僅か50cmくらいの隙間をローボールで攻めるしかなかった。丸山が放った低空ショットは見事にグリーン奥まで届き、続く18メートルのパットも70cmにつけてパーで切り抜けた。
「初日、2日目、もっと今日、昨日くらいのパッティングが入ってさえいれば自分の流れがつかめていたかもしれないし」と、丸山。最終2ラウンドで55パットに対し、最初の2日は68も叩いた。「イライラしたら負けなんだけど、イライラするのがゴルフでしょ」と、渋々悔しさを噛み締めた。
3日連続バーディを奪っていたパー5、15番では急に変化した風向きを読みきれずグリーン奥の木の麓に。アンプレイアブルで1打ペナルティを課せられ、このホールをボギーとしてしまう。続く16番ではティショットを右に曲げて、アウトしようとしたが木の枝に当たり不運が続きこのホールもボギー。
「あのままバタバタと行かないように、17番のパットは絶対沈めなければいけないと思った」。その言葉通り、2メートル強のパーパットをしっかり決めた。最終ホールもラウンドパートナーのアダム・スコットがギャラリーにボールを入れて苦戦しているのを尻目に、難なくパーでホールアウト。
米国男子ツアー5年目を振り返って「ケガがなかったこと」がよかったと言う。また食事や糖分の摂取量などにも気を使った。過酷なスケジュールの中でも、「ニッサンオープン」ではプレーオフまで持ち込み、「全米オープン」では2日目を終えて首位に立った。「勝ちたかったな・・・今年は辛抱しろって神様が言ってるんですよ」と、丸山は振り返る。
「これだけ厳しいってこと。我々はもっと勝つには2位をもっといっぱいできるようにならなきゃ。2位にいけるチャンスを掴まなきゃ駄目なんだよ」と、来年に向けての目標も明確に設定している。
長いシーズンが終わろうとしている中でも、自分が置かれている立場は忘れていない。「まだワールドカップありますので、気を引き締めて勝ちに行きます!」