米国男子ツアー

プレーオフの死闘を演じた選手たちにインタビュー!/ザ・ホンダクラシック

2007/03/06 09:00

マーク・ウィルソンが、さまざまな困難を乗り越え初優勝を果たした。セカンドラウンドでキャディが、不注意で同伴競技者にアドバイスを与えてしまったことで、ウィルソンは2打罰を自己申告。さらに、ウィルソンは過去10年続けてQスクールを経験し、それだけにこの優勝は感極まるものとなった。

マーク・ウィルソン
「嬉しさでいっぱいです。うまく打ったパットでカップの右ふちを捉えました。昨日のことを思うと、今ここにいるのが信じられません。本来なら優勝はお預けとなっていたはずです」

記者
「過去16時間でいくつも大事なパットを沈めましたが、これでもうQスクールに行かなくてすみますよ。」

マーク・ウィルソン
「そうでしたね。思い出させてくれてありがとう」

記者
「今回、実力を示せたことは今後のゴルフにどう影響するでしょうか?」

マーク・ウィルソン
「実は夕べ、終盤ショットが乱れたことでちょっと落ち込んでいたんです。うまくスイングできなかった自分にがっかり来ました。でも今日のプレーオフで、良いショットが3つ打てたので、大きな自信につながると思います。」

記者
「キャディのクリス・ジョーンズと親しい関係にあるようですが、抱き合った瞬間は格別な思いだったんじゃないですか?」

マーク・ウィルソン
「ええ、2度抱き合いましたね。クリスは人としても素晴らしく、いつも私を励まし、助けてくれます。特に昨日16番で落ち込む私に、まだ終わったわけじゃないと気合を入れてくれました。あの12メートルを沈められたのは彼のおかげです」

そう語ったチャンピオン、マーク・ウィルソンよりも感情的になっているのが、キャディのクリス・ジョーンズかもしれない。

クリス・ジョーンズ
「タフな1週間でした。金曜日、キャリアで最大のミスを犯してしまいましたが、マークがそれを許してくれ、"自分だって失敗することはある。済んだことは忘れてゴルフに集中しよう"って言ってくれたのです。その場でクビにされてもおかしくなかったのに、マーク・ウィルソンのような寛大な選手がボスで幸いでした。彼はチャンピオンにふさわしい選手です。もうPGAツアーに5年参戦していますが、やっと彼に順番が回ってきました。ものすごい努力家ですし、実力があって優しい心の持ち主です。私は2003年からキャディをやっていますが、ディッキー・プライドのバッグを担いでいたときから、優勝して18番のフラッグを持ち帰るのが夢でした。お金じゃなくて、フラッグこそキャディの勲章です」

記者
「わずか3日間でキャリアのどん底から頂点へと移ったわけですね」

クリス・ジョーンズ
「ええ、それは間違いありません。マークは、本当によく頑張りました」

一方で、敗北による悲しみを痛いほど味わったのがブー・ウィークリー。もしも72ホール目に、優勝がかかっていた1メートル足らずのパットを沈めていれば、勝利はブー・ウィークリーが手にしていたはずだった。

ブー・ウィークリー
「昨日は自分にひどくがっかりしましたが、それがゴルフですよ。しかたありません」

記者
「その前に、セカンドショットのライがまず最悪でしたよね?」

ブー・ウィークリー
「ええ、なんとかグリーンの手前に運び、打ちやすいショットを残すことだけを考えていたんですが、距離は2つのクラブの中間でした。それも仕方ないですけどね」

記者
「夕べは眠れましたか?」

ブー・ウィークリー
「ええ、ぐっすりね。騒いでいたので寝たのはかなり遅かったですけどよく眠れました」

記者
「今回のことは教訓になりましたか?」

ブー・ウィークリー
「ええ、忍耐力の大切さを学びました。昨日の18番では、打ち急がずに、仕切り直しして、気持ちを落ち着けてから打つべきでしたね」