日本開催の米ツアー 賞金女王イ・ボミの複雑な思いとは?
◇米国女子◇TOTOジャパンクラシック 事前情報(3日)◇太平洋クラブ美野里コース(茨城)◇6506yd(パー72)
日本女子ツアーが特別公認する唯一の米国女子ツアーは、両ツアーの賞金ランク上位の計78人が出場。国内賞金ランク1位で迎えるのは、2位に約2545万円の大差をつけて独走中のイ・ボミ(韓国)。初日は米国の賞金ランク1位リディア・コー(ニュージーランド)とプレーする注目組に入り、「世界ランク1位の選手だし、楽しみ。いい勉強になると思う」と声を弾ませた。
8月「CAT Ladies」でツアー通算19勝目を挙げて20勝目に王手をかけながら、以降の出場9試合で足踏みが続くまま、シーズンは早くも終盤に差し掛かった。「あと4試合で頑張って、もう1勝できるように頑張りたいです」と、これまで何回も口にしてきた言葉を繰り返した。
今大会の優勝には、イにとって節目となる1勝に加え、もう1つの付加価値がある。来シーズンの米国女子ツアー出場権だ。
イには、その魅力的な“特典”について「眠れないほど悩んだ」過去がある。2012年大会の2日目を終えて4打差の単独首位に立った、その夜のこと。「勝ったらQTに出ないでアメリカに行ける。でも、大好きな日本でもっとプレーしたい」。結果的にはステーシー・ルイスの大逆転勝利で幕を閉じたが、「あのとき優勝していたらアメリカに行っていたかも」と告白した。
昨季は男女を通じてシーズン国内最高額となる2億3000万円余りで念願の賞金タイトルを獲得した。今やツアーの主役の1人に定着した今、仮に今年も同じ状況になったとしたら…?「日本は楽しいし、アメリカに行けば慣れるまで時間がかかると思うけど、また悩むと思います」と、複雑そうな表情で答えた。今週で20勝目到達となれば、その動向により大きな関心が向けられることになりそうだ。(茨城県小美玉市/塚田達也)