2016年 ヨコハマタイヤLPGAクラシック

プレッシャーに負け続けたジュタヌガンがようやく勝った!

2016/05/09 09:19
初優勝のジュタヌガン。水をかけられ祝福される(Matt Sullivan/Getty Images)

アリヤ・ジュタヌガンが「ヨコハマタイヤLPGAクラシック」で、タイ勢初の米国女子ツアー優勝を飾った(※)。前日に10バーディを量産し「63」を記録。ムービングデーのビッグスコアで作ったリードを通算14アンダーで守り抜いた。幾度となく快挙を目前に迫りながら惜敗が続いた20歳が、悲願を達成した。

慎重にウィニングパットを沈めた。この日、3打あったリードは縮まった。残り2ホール、17番でボギーを叩くと、先にホールアウトしたエイミー・ヤン(韓国)らとの差は1打となった。

最終ホールでは2打目をグリーン左のラフに入れた。ミスが出れば追いつかれる場面で、1m弱に寄せるアプローチを見せた。カップ、ボールを前に肩で大きく一息。集中力を高めた。ほぼストレートなラインを読み切ってボールがカップに消えると、ギャラリーから大きな声援が飛んだ。手を挙げて応える目には涙が浮かんだ。

苦い記憶が蘇ったに違いない。2013年2月、母国で開催された「ホンダ LPGAタイランド」では、最終日の最終ホールまで2打のリードを奪った。当時17歳だったジュタヌガンはプレッシャーに耐えきれずミスを連発。トリプルボギーを叩いた。「いい経験をした」と悔しさを押し殺して言った。

今年の海外メジャー初戦「ANAインスピレーション」では残り3ホールで3打のリードがあった。そこから3連続ボギーと失速。リディア・コー(ニュージーランド)に逆転を許し、肩を落とした。

優勝が決まった瞬間。18番グリーンでは、惜敗を見続けた母も涙を流した。母国ではシリキット国王妃の誕生日8月12日とされるが、米国は5月の第2日曜日が日本と同じく「母の日」だった。プレッシャーに打ち勝ったジュタヌガンが母国にもたらした初栄冠は、母に送る何よりのプレゼントだった。

※非公式大会の2012年「HSBC LPGAブラジルカップ2012」では、タイのポルナノン・ファトラムが優勝した

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