2015年 全米女子オープン

盗み撮り?キム・セヨンのキャディが大会追放処分に

2015/07/09 13:10
大会前日に記者会見を行うUSGA

ペンシルバニア州にあるランカスターCCで9日に開幕する海外女子メジャー第3戦「全米女子オープン」で、キム・セヨン(韓国)のキャディ、ポール・ファスコが7日、大会を主催する全米ゴルフ協会(USGA)から追放処分を受けた。

処分された理由は、ファスコが7日に競技委員小屋を訪れ、本来は試合当日に公表されることになっているピンポジションやコースセッティングの内部資料を写真に撮った、というもの。USGAはその日のうちにファスコから大会会場へのアクセス権をはく奪した。

USGAは処分の経緯と理由をこう説明した。

「我々は、彼の選手にとってのみ利益となり、残りの選手たちにとってはそうでない、ある情報を得ようとしたキャディ(ファスコ)を発見した。今大会に出場する全選手を守るため、それを阻止しないといけないということは、我々にとって疑う余地のないことだった。我々は選手に対して説明する時間を取り、なぜこれが我々のポリシーに違反するのか、なぜキャディが競技委員小屋に入ってはいけないのか、なぜ彼と彼の選手にとってのみ利益となるような情報を写真に撮ることが許されていないのかを、彼女(キム)が理解したことを確認した。それから、彼をコースから退場させ、すぐに選手は代替キャディを手配することができた」。

大会前日、新しいキャディと共に練習場に現われたキム・セヨン

関係者の話によると、ファスコは別の要件でUSGAの競技委員小屋に入った際、壁に貼られていたピンポジションなどの資料を見つけ、携帯電話で撮影。その場面をUSGAの関係者に発見された。ファスコはその場で画像を消去し、キムのいる練習場へと戻ったが、約1時間後に競技委員が警備員を伴って練習場に現れ、その場でファスコをコース外に退場させたという。

海外メディアの取材に対し、ファスコは大会終了までは沈黙すると応じており、公式にはなんのコメントも伝えられていない。だが、キャディ仲間に対して、USGAへの怒りを表したメッセージを送ったことが確認されている。

ファスコは、かつてポール・ケーシースティーブ・フレッシュビジェイ・シン、女子ではチェ・ナヨンを担当したベテランキャディ。キムはルーキーながら今季2勝を挙げて賞金ランキング2位につけ、ルーキー・オブ・ザ・イヤーではトップを走っている注目選手。なお、ファスコの雇用主であるキムに処分はなかった。(ペンシルバニア州ランカスター/今岡涼太)

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