2021年 HSBC女子チャンピオンズ

持続可能なゴルフ場経営へ シンガポール・セントーサGCの挑戦

2021/04/29 17:51
持続可能なコース管理を目指すセントーサGC(提供:大会広報)

◇米国女子◇HSBC女子チャンピオンズ◇セントーサGC(シンガポール)◇6718yd(パー72)

“アジアのメジャー大会”を標榜する「HSBC女子チャンピオンズ」は、シンガポールにあるセントーサGCを舞台に行われている。同コースは米ゴルフダイジェスト社「世界のゴルフ場ランキング・ベスト100」にも名を連ねるアジア有数のコースだが、2020年には国連が提唱する「スポーツを通じた気候行動枠組み」にゴルフ場として最初に加わり、持続可能な社会に向けたゴルフ場のあり方についても、積極的な活動を展開している。

セントーサGCが掲げる「GAME ON」というキャンペーンは、2020年「SMBCシンガポールーオープン」時に立ち上げられ、気候変動問題に対処するためのゴルフ場運営について、実際にコースで実践し、広く発信することを続けている。

例えば、以下のような取り組みが導入され、温室効果ガスの排出削減や、生物多様性の保護(殺虫剤や化学肥料の削減)、水資源の再利用といった課題に効果を上げている。

・プラスチックボトルをなくしてコース内に給水所を設ける
・コース内にミツバチのコロニーを作る
・ハーブ園を作る
・リチウムイオンバッテリーのゴルフカート導入
・灌漑用の貯水池を作る
・食品、園芸廃棄物の再利用施設の導入
・電気自動車の充電ステーションの設置

雑草の除去作業を行った女子プロたち(提供:大会広報)

また、セントーサGCではゴルフ場農学の従業員75人が、除草剤の使用を減らすために1日最低15本の雑草を手で取り除いており、最低7875本/週の雑草が除去されている計算となる。

開幕前にコース内の施設を見学したリオ五輪金メダリストで大会2勝の朴仁妃(韓国)は「ここは世界で最も美しく、完璧なコンディションを誇るコースのひとつです。彼らの持続可能性に向けた努力を学ぶことは、とても勉強になりました。他のゴルフ場もセントーサGCの取り組みに刺激を受けて、世界をより良くしていくために手を携えられることを願っています」とコメントした。

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