ノーマンがLIVとの“共闘”呼びかけ 日本ツアーはNO「中立的な立場を」
サウジアラビア政府系資本を背景にした新リーグ「LIVゴルフ」が、対立構造にある欧米ツアーへの抗議を日本男子ツアーに要請していたことが3日までに明らかになった。米PGAツアーがLIVに参加した日本ツアーメンバーの主催競技への出場資格を停止したことを受けて、グレッグ・ノーマン(オーストラリア)が“共闘”を呼びかけ。日本ゴルフツアー機構(JGTO)はこれを“拒否”し、中立的な立場を取る方針を示した。
PGAツアーは8月末、今年LIV招待に出場した日本ツアーのメンバーに対し、10月13日(木)開幕の「ZOZOチャンピオンシップ」(千葉・アコーディア・ゴルフ習志野CC)をはじめとするツアー大会、下部コーンフェリーツアーの予選会などの出場を禁じた。関係者によると、これを受けて9月中旬にノーマンから青木功JGTO会長に宛てて、日本ツアーからPGAツアーに異議申し立てをするよう要望する連絡が入った。
JGTOは現段階でLIV側からの要求に応じない考えで、9月29日に文書で選手たちにツアーの方針を通達。LIVと欧米ツアーの対立から距離を置き、「中立的な立場を取る」ことがツアーメンバーとツアーの利益につながると説明した。
また、現在の構造ではそれぞれの団体の試合を往来することが難しいと注意喚起した。さらに欧米ツアーからの連携強化の申し出をもとに、両ツアーへの挑戦ルートを制度化することを議論、模索していくという。
日本ではPGAツアー単独の「ZOZO」のほか、JGTOと欧州ツアーとの共催競技(ISPS HANDA)、アジアンツアーとの共催競技(SMBCシンガポールオープン、ダイヤモンドカップ、シンハン ドンヘ オープン)が開催されている。
日本ツアーからは今年、LIV招待に谷原秀人、木下稜介、香妻陣一朗、稲森佑貴、ショーン・ノリス(南アフリカ)、スコット・ビンセント(ジンバブエ)が参加。2023年以降については、再びLIVに出場しなければPGAツアー出場が可能となる。欧州ツアー大会や予選会への参加資格の動向については、今後話し合われるという。(編集部・桂川洋一)