国内女子ツアー

原江里菜、開幕直前インタビュー!「今年は結果を残したい」

2014/02/27 23:14

08年の「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」で、大会新記録となる21アンダーでプロ初優勝を成し遂げた原江里菜。その後は10年、11年とシード落ちを経験するなど苦しい時期も味わったが、昨年は32試合に出場して予選落ちはわずかに3回。4度のトップ10入りを果たすなど、復調の兆しを掴んだ。

新シーズン開幕を翌週に控えた原に、今シーズンに向けて話を聞いた。

――不調を乗り越えて、周囲への思いは変わりましたか?
「ずっと結果を残せなくなってから、ありがたみというのは感じていました。NECさんも横浜ゴムさんもサマンサ(タバサ)さんも、良い結果を見て私を選んだんじゃなくて、可能性というか自分のこれからを認めてくれたのがすごく嬉しくて。決めてくれた人が、やっぱり原江里菜にして良かったって思えるように、今年は結果を残したいですね」

――今年のオフはやりたいことが全部できた?
「今までは、次の日にトレーニングだから何時までに帰って…とか考えていたけど、今年は自分が遊ぶ・楽しむって決めたら、いいって思うまでやりました。でもやったっていう責任があるから、次の日の練習にもスイッチが入りました。今年はやりたいって決めたら行動に起こせたから、それは良かったと思います」

――ゴルフ以外で一番楽しかった思い出は?
「競馬ですね(笑)。高校の先輩のお兄ちゃんが騎手をやっていて。初めて行ったんですけど、それが一番楽しかったです。あとはやっぱり仲の良い人たちとご飯に行ったりするのは楽しいし、良いリフレッシュになりましたね」

――“自分に必要の無いものはそぎ落とした”とブログに書いてありましたが?
「今年はイヤなものはイヤっていえた。逆に身近な人には散々わがままを言ったから、多分振り回したと思うけど(苦笑)。ほんとにやりたいことしかやらなかったです」

6年ぶりの優勝なるか?充実のオフを過ごした原江里菜

――変わったきっかけは?
「自分の思っていること、やっていることに今までよりも自信がある。今までは“みんなに良い原江里菜”でありたいって思っていたけど、今は“その原江里菜でいいよ”って言ってくれる人が周りにいて、その人たちを大事にできればいいと思えてきました」

――ゴルフの手応えも関係している?
「それは一番あると思います」

――昨年は平均ストロークやリカバリー率が向上しましたね
「底辺の底上げができて、調子が悪いときでもある程度のパフォーマンスができたと思います。ドライバーショットも良くなったので、無茶苦茶な場所からアプローチをしなくなった。確率の高いところから寄せているから、リカバリー率も上がったと思うし、数字だけでは見えない部分はいっぱいあると思います」

――優勝した08年と今のゴルフを比べると?
「スイングを見ても、絶対今の方がいいと思う。何より変わったのは、あの時はアマチュアからプロになって2年目ですぐ優勝して、“こんなに簡単にできちゃうんだ”って、その価値も分からなかった。まだ優勝できると思っていなかったのに優勝して、優勝する自分に似合う自分じゃないといけないって結果を追い掛けるようになって、スイングも悩んでしまった。今は逆に、自分が作り上げたものに結果がついてくるようになりました。結果だけを見れば、あの時の方がお金も稼いでいるし良いプロゴルファーかもしれないけど、総合的に見たら今の方が良いゴルファーだと思います」

――この5年で学んだことは?
「やっぱり技術だなと。もちろんメンタルも強くないといけないけど、勝つ人、強い人には理由があって、それは技術。自分も技術を追求していかないといけないって思うようになりました」

――今年、結果で恩返しが出来そうというのは確信に近い?
「と、思うんですけどね(笑)。去年は手応えが目に見えないものだったけど、今年は目に見えて飛距離も伸びたし、確率も上がった。手応えだけじゃないデータが出たから、去年よりもできるんじゃないかなっていうのはあります」

――東北高校の先輩(宮里藍)や同級生(有村智恵)は米ツアーに行きましたが?
「今年は向こうで横浜ゴムの試合もあって、チャンスがあれば行きたいとは思います。でも、QTって言われるとまだかなって。藍先輩も智恵ちゃんも日本で時代を作ったと思うけど、私は手応えがあるだけでなにも結果は出してない。まずは日本で目に見える結果を残してから。藍先輩は若いときから目標にしていたと思うけど、智恵ちゃんは日本でやっているうちに自然に海外志向になってきた。私も自然の流れで興味をもって、それが自分のやりたいことになったときに挑戦したいと思います」