白戸由香、首位から一転予選落ちの悲劇
国内女子ツアー「ヤマハレディースオープン葛城」の初日に2アンダーをマークして首位タイにつけた白戸由香。今シーズンは開幕戦に続き2戦目も予選落ちに終わっただけに、自分でも驚きの好スタートだった。しかし、ゴルフの調子がいきなり良くなるとの考えきれず、そのラウンド後には「今日は2組目だったので、後半からグリーンが硬くなってきましたが、明日はその状態でスタートしなければならないですね・・・」と、慎重というよりも少し弱気な発言も飛び出した。
そして迎えた2日目。最終組でスタートした白戸は、スタートから3ホールをパープレーとするが、この時点でショットの調子は良くなかった。パターで凌いでパーをセーブしていたが、4番でボギーを叩くと前半は4つのボギーで2オーバーに後退。
さらに後半も10番まで3連続ボギーの後、12番からも連続ボギーで5オーバーまで後退してしまった。白戸がラウンドするのは最終組ということもあり、この時点で予選通過ラインが7オーバー程度という予測は付いたが、まだそのスコアまでは2つほど余裕があった。
ところが最大の落とし穴が16番で待っていた。ティグラウンドから打ち下ろしのホールで、左右に曲げるとトラブルのホールで、昨年は同じ2日目にこの日同じ組でラウンドした米山みどりが+6打を費やしている。白戸のティショットは左に向かいOB、続く3打目も同じように左へOB。さらに5打目も左に行ったが、これはセーフとなったが、このホールのスコアは+5。この時点で通算10オーバーとなり、続く17番で11オーバー。首位から一転、85位タイで予選落ちとなってしまった。
「パターで凌いでいたんだけど、ショットの調子が悪くて、16番のOB2発で終わっちゃったね。今日のような最終組とかの位置で昨日のようなプレーができないと・・・。どうしてかな、自分の心が弱かったのかな。まだ、シーズン始まったばかりなのでがんばります」。プロとしては屈辱的な結果に終わったが、冷静に分析をする。
今シーズンの白戸には明確な目標がある。それはシード権を獲得すること。もちろんツアープレーならばシード権を獲得して、翌年を戦うことが何より大事なことだが、白戸の場合は数年後を見据えたプランがあるのだ。
「もうそろそろ子供が欲しいと思っているんです」。白戸は2004年に結婚をしたが、その後もツアープレーヤーとして活動を続けている。しかし、長い人生設計の中でそろそろ子供を生みたいと明言するようになった。日本女子プロゴルフ協会では、産休制度が設けられているが、該当するのはシード権保持者だけ。産休明けで試合に復帰するために、クオリファイからの挑戦よりはシード権を保留できるこの制度を利用したい。
そのためには、今シーズン終了までに優勝を果たすか、賞金ランキングで上位50人以内に入る必要が生じてくる。目先の賞金だけでなく、人生設計を見据えた白戸の目標は達成できるのだろうか。本人が語る「まだシーズン始まったばかり」という言葉の通り、これから本格的なシーズンが始まる。