国内女子ツアー

上田桃子の米ツアー参戦により、賞金争いは混沌の様相を呈すか/2008年国内女子ツアープレビュー

2007/12/28 21:38
上田桃子が米国ツアーを主戦場とすれば、横峯さくらが賞金女王の本命か

上田桃子が最年少賞金女王に輝いた激動の2007年。本来ならば2008年も賞金女王の最有力候補といいたいところだが、米国女子ツアー公式戦「ミズノクラシック」を制したことで、来季の日本女子ツアーの戦力構図は一変した。上田は来季米国女子ツアーのシード権を獲得し、2008年は主戦場をアメリカに置くプランを示唆。日本ツアーにも出場する意向を示してはいるが、その試合数はかなり制限されるはず。賞金女王を手にした今、その目は海外に向けられているのが実情だ。

となれば賞金女王の最有力候補は、2007年に賞金ランキング2位となった横峯さくらだ。女子ツアー随一を誇る飛距離のアドバンテージを維持しながら、安定感も各段に増した。2007年は27試合に出場し、1試合の棄権を除き予選落ちはゼロ。昨年に続く年間3勝、自身初となる獲得賞金1億円突破も達成した。当初から目標を「賞金女王」と公言していた横峯にとっては満足の行く結果ではなかったかもしれないが、2008年は大願成就に向け、機は熟したといえるだろう。

対抗は、2年連続で獲得賞金1億円を超えた全美貞。日本女子ツアー初の3週連続優勝は、秘めるポテンシャルの高さを計り知れないほどの衝撃だった。シーズン中盤の失速は賞金女王を意識してのものだったが、再び賞金女王争いをする立場になった時には、その経験をプラスに活かして同じ轍を踏むことは無いはず。シーズンを通して平常心でプレーできれば、天井知らずの活躍を演ずる可能性は高い。

また、2年連続で2勝を上げて賞金ランク4位とした古閑美保も、賞金女王争いに名を連ねるだろう。賞金ランクのキャリアハイは2003年の3位だが、獲得賞金、平均ストローク共に自己最高を記録。状態はピークを迎えつつあるだけに、見逃せない存在となるはず。さらに、大山志保不動裕理の元賞金女王も要マークだ。試合に出場すれば常に優勝候補となり得る実力を備え、勝利数を重ねる可能性は十分。この2人が本来の調子を発揮し続ければ、賞金女王争いは混沌へと導かれる。

若手の活躍を期待するならば、初シード権を取得した有村智恵原江里菜、そして2007年のプロテストでトップ合格を果たした服部真夕に注目したい。有村智恵も2006年のトップ合格者だが、2001年のウェイユンジェ以来トップ合格者の優勝者は現れていない。3人とも優勝争いを演じる活躍を見せているだけに、このジンクスが破れる時は、間近に迫っているといえよう。