惜敗をバネに2勝 昨年2位・武藤俊憲“雪辱”へのアプローチ
国内男子ツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」2日目。初日に続きノーボギーでプレーした武藤俊憲が6バーディを重ね、通算11アンダーの4位に浮上した。前年大会では最終日の最終ホールで競り負けて惜敗。1年前の雪辱に向けて、首位と1打差で決勝ラウンドに進む。
「昨年のこともあるし…」と、悔しさは今も消えていない。首位タイで迎えた最終日の最終18番で短いバーディパットを外し、優勝したデビッド・オー(アメリカ)にわずか1打が届かなかった。「この世界は、結果を出してナンボ」。昨年、武藤が吐き出した言葉だった。
今シーズンは、その結果を出してきた。6月の「ISPSハンダグローバルカップ」で3シーズンぶりの優勝。ツアー外競技ではあるが、9月には「ネスレ日本マッチプレー選手権」も制した。昨年5月には左足首の靱帯を断裂。その後はリハビリが続き、復帰までの3カ月を棒にふった。そして、今も脳裏に残る御殿場での惜敗。「昨年の悔しさがあったから今年は結果を出せている」。だからこそ、今週は結果が欲しい。
調子は良い。2日間ノーボギーでプレーしたのは、片山晋呉と丸山大輔を含めた3人のみだ。2日目までのフェアウェイキープ率は全体38位(57.14%)と高くはないが、「ドライバーは不安定だけど、カバーできている」と武藤。同1位(94.44%)を記録しているパーオン率が、安定した2日間の内容を物語る。
前週の「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」では初日から扁桃炎を患い発熱。解熱剤を投与しても39度まで上がった熱は引かず、第3ラウンドのスタート前に棄権した。望まぬ休息とはなったが、体をしっかり休めたことで気力も充実。「これで勝てたら、スッキリして今年を終えられるでしょうね」。リベンジを懸けた決勝ラウンドに挑む。(静岡県御殿場市/林洋平)