武藤&小田孔が滑り込み 熾烈極めた全英争い
岡山県のJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部で行われた「~全英への道~ミズノオープン」最終日。ブラッド・ケネディ(オーストラリア)が2位に3打差をつける独走で日本ツアー初優勝をマークする一方で、7月の「全英オープン」出場権争いは熾烈だった。
上位4選手に全英切符が付与される今大会は、優勝者のケネディがまず権利を獲得。そして既に昨年末に出場権を獲得していた谷口徹(有資格者を除く2011年の賞金ランク上位2人の権利)が2位タイに入ったため、残りはそれ以下の3枠となった。
その谷口と並ぶ通算14アンダーの2位タイに食い込んだのが武藤俊憲だ。5アンダーの23位タイからスタートすると、後半11番からの5連続を含む9バーディ、ノーボギーの「63」とベストスコアをマーク。課題のパッティングが絶好調で「今年一番の出来」と自画自賛のプレーを見せ全英切符を獲得した。2007以来となる3度目の挑戦。「前回までは悔しさを感じる前に終わってしまった。いろんなものを吸収してきたい。今日のようなプレーができれば」と意気込んだ。
そして1打差の単独4位は小田孔明。7アンダーの16位タイから出た前半アウトに5バーディ。11番で6つ目を奪うと、続く12番から2連続ボギーを叩くが、上がり2ホールで4メートル、2メートルを沈めて2連続バーディフィニッシュとして「66」。通算13アンダーまでスコアを伸ばした。JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部は苦手意識の強いコースだっただけに「僕の中では全英は頭に無かった。頑張って予選を通ろうという気持ちだった」とビックリ。武藤と同じく全英と同週に行われるローカル競技「北陸オープン」の出場を決めていただけに「心の準備が…」と苦笑いで喜んだ。
最後の1枠。5位タイにはなんと10選手が並んだが、規定により同順位の世界ランク上位者、藤田寛之が決定。前週の「全米オープン」で日本勢唯一の決勝ラウンド進出を果たして、疲労の中で迎えた今大会の最終日に6バーディ、ノーボギーの「66」をマーク。今季開幕戦から今大会までの賞金ランク上位2人の権利でも出場が確定的だったこともあり、「ゴルフはいま一番良い状態。世界ランクも意識している。メジャーという目標があって、そこにつながるルートをつかんでいるから、毎週しっかりプレーしているつもり」とモチベーションは高くキープされたままだ。
なお、藤本佳則、ブレンダン・ジョーンズは今大会までの賞金ランク上位2位の資格(現在賞金ランキング1位の藤田と同3位の谷口は上述の権利で出場)で全英切符を手にしている。(岡山県笠岡市/桂川洋一)
■ 藤本佳則
「メジャーは初めてですし、どんな感じかも分からない。自分にプラスになることばかりだと思うので、いろんなことを経験してゴルフ人生に役立てたい。(イギリスは)一日の中に四季があるというくらいだから、考えながら調整したい。予選を通過して4日間やってみたいですね」
■ ブレンダン・ジョーンズ
「正直、自分の中で全英に出られるとは思っていませんでした。休みで、家族と過ごすつもりだったので予定変更ですね。シーズンが始まってから、体の疲れもたまってきているので、全英までに家族と一緒にいる時間を作って疲れを取り、リラックスして試合に臨みたいです」