16歳、伊藤誠道の記憶に残る全英は?
海外メジャー「全英オープン」に日本人史上最年少で出場したのは石川遼。2009年に「~全英への道~ミズノオープンよみうりクラシック」を制し、当時17歳でスコットランド・ターンベリーに足を踏み入れ、タイガー・ウッズと予選ラウンドを同組でプレーした。
そしてその石川が卒業した杉並学院高の後輩、16歳のアマチュア伊藤誠道がその記録を更新するチャンスを手にしている。岡山県のJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部で開催中の「ミズノオープン」で、予選ラウンド2日間を終えて通算4アンダー。この2日目に4バーディ、ノーボギーの「68」をマークして16位タイにつけた。
昨シーズンは9月の「ANAオープン」で最終日に優勝争いを演じるなど、松山英樹らとともに新世代アマの台頭を印象付けた伊藤は、今シーズンはこれが国内ツアー3戦目の出場。5月に行われたアマチュア最終予選会をトップで通過してきた。
しかし日本ツアー開幕前の3月には、欧州ツアー「ハッサンIIゴルフトロフィー」に参戦していた伊藤。残念ながら予選落ちに終わったものの、異国の地で感じたものは大きかったそう。「アメリカよりも、ヨーロッパは自然の中のコースという感じ」と地形や自然条件をフルに活かしたコースでプレーすることに楽しさを覚えて帰ってきた。
それゆえ、上位4人に全英出場権が付与される今大会とあって気合は十分。「全英では、将来良いプレーができるんじゃないかと思っているんです。(第一に求められるのが)飛距離だけじゃないから。ルーク・ドナルドだってそうでしょう」と早くもイメージを膨らませる。日本でのテレビ放送が早朝となる米国での3つのメジャーに比べ、イングランド、スコットランドが舞台の全英は夜間に放送されることもあり「だいたい見ているんです」と“馴染み深い”感覚もある。
もちろん、過去のVTRや動画サイトでのチェックも忘れない。思い出深い試合は、タイガー・ウッズがセントアンドリュースで2度目の優勝を飾った2005年大会、そしてニック・ファルドが勝った1992年大会(ミュアフィールド)。95年8月生まれの伊藤にとっては、両大会は9歳、そして生まれる前の試合なのだが・・・。
全英出場を果たせば日本人アマチュアとしては、78年の倉本昌弘、90年の倉本泰信以来3人目。新たな快挙は生まれるか?(岡山県笠岡市/桂川洋一)