金谷拓実からUAEの後輩にエール「戦うのは自分自身」
◇国内男子◇マイナビABCチャンピオンシップ 事前情報(3日)◇ABC GC(兵庫)◇7217yd(パー72)
来年4月の海外メジャー「マスターズ」出場権をかけた「アジアパシフィックアマチュア選手権」に臨む選手たちに、2018年大会王者の金谷拓実がエールを送った。出場する日本勢は6人。なかでもジュニア時代からしのぎを削ってきた中島啓太(日体大3年)には「とくに頑張ってほしい」と、送る視線に熱がこもる。
「優勝すれば、マスターズ」。そのフレーズのパワーは昔も、今も変わらない。3日(水)にアラブ首長国連邦(UAE)で開幕する大勝負。金谷は当時を思い起こしながら、「みんなにチャンスがある。そのチャンスをつかんでほしい」と後輩たちの背中を押した。
中島とは出発前に連絡を取り、中東のコースへの情報も心置きなく提供したという。「啓太とは練習、行動をともにしてきた。世界(アマチュア)ランキング1位でプレッシャーはもちろんあると思うが、本来の力が出せれば結果にもつながってくる。(結果を左右するのは)運もあると思うので、とにかく自分のベストを尽くしてほしい」と、日本人選手としては自身以来3人目のタイトル奪取を期待した。
2010年に優勝した松山英樹は当時、出場日本人のなかでは実績に乏しいダークホース的存在だった。ナショナルチームを牽引していた18年時の金谷には大きな期待がかけられていたが、今回の中島が背負う重圧は彼ら以上かもしれない。
だからこそ、金谷の経験談は貴重でもある。「周りの注目があろうと、なかろうと、戦うのは自分自身。難しい部分はあるけれど、『やるのは自分。やることは変わらない』と自分に言い聞かせてやっていた」
今週、そして年末、来春の結果次第では弟分と一緒にオーガスタに立てる可能性もある。「彼のほうが(マスターズ行きは)簡単かな」と笑った。
日本ツアーの賞金レースでは現在4位だが、世界ランキングでは松山に次ぐ日本勢2番目(70位)にいる。「賞金王やもっと世界ランキングを上げたいという目標もあるけれど、目の前の1試合1試合に集中している。結果は後からついてくる」。少なくとも先輩は、プロになった今も当時と同じ気持ちでプレーしている。(兵庫県加東市/桂川洋一)