国内男子ツアー

「まだレベルが低い」 厳しくも温かいジャンボのレッスン

2020/02/02 12:15
迫力十分の表情でジュニアたちにあえて厳しい言葉を投げかけた尾崎将司

今年で3回目となる「ジャンボ尾崎ジュニアレッスン会 supported by ISPS」が1日(土)に千葉市で開催された。本気でプロを目指すジュニア選手の背中を押す「ジャンボ尾崎ジュニアアカデミー」のセレクションを兼ねているイベント。この日に限っては、個人への技術指導は参加した他のプロに任せ、尾崎将司は黙って練習を見て回る。そして、おもむろにかける言葉は決まって「トレーニング、やってるか?」だった。

「していない」と答えるジュニア選手には、「ゴルフ(技術練習)だけやってうまくなろうと思っているのか。それは大きな間違いだ」。自らの考えを端的に伝えた。終了後、選手たちを集めた73歳はさらに熱かった。

「うまくなろうと思ったら、人よりしんどい思い、つらい思い、苦しい思いをしないと。人間というのは、苦しさとかつらさが、楽しさに、うれしさに、喜びに変わっていくんだ。レッスンをしてもらったからといって、その場ですぐにはうまくならない。1年後、2年後、3年後にうまくなろうという気持ちをもって、いいことを継続していく。そういう心構えでいかないと。今日見た限りでは、残念ながら、君たちのレベルはまだまだ低い。若いからまだあまりトレーニングをしていないかもしれないが、ゴルフが好きで、うまくなりたいと思うなら、どうすればいいのか。自分がどれだけのレベルにあるのか、どれだけの体力があるのか、どれだけの技術があるのか、そういうことを自分である程度わからないといけない」

ジュニアたちと記念撮影。若い選手の成長を願ってやまない

レジェンドのもとで練習する選手は、午前中をひたすらトレーニングに充てるという。「タイヤを引っ張ったり、いろんなトレーニングをして、午前中は体を“起こす”ことだけをやる。この寒い時期に球ばかり打っても、いいスイングができるわけがない」と意図を語る。

根底にある思いは、どこまでも純粋だ。「今年の春から高校生という子供たちを重点的にやっていこうかな、と。(高校の)3年間、鍛えがいがあるじゃん。来るからには、練習をみっちりやって、成長してもらいたい。ウチには、ほかに負けない練習環境があるからね。それを利用してもらって、少しずつ階段を上ってもらいたいね」。磨けば光る原石たちに向ける視線は、やはり温かい。(千葉市/亀山泰宏)