相性抜群、若手コンビがチームを牽引
今年は世界選抜のホーム、オーストラリアを舞台に開催されている「ザ・プレジデンツカップ」。その中でも、一際大きなギャラリーの歓声を受けているのが、オーストラリア出身の選手たち。今年は、ロバート・アレンビー、ジェフ・オギルビー、アダム・スコット、ジェイソン・デイ、アーロン・バデリーが出場。実に、チームの大半を占めている。
特に地元の高い期待を背負っているのは、デイ(24)とバデリー(30)の若手コンビだろう。デイは昨シーズンに米ツアーで初勝利を飾り、ワールドランキングでもスコットに次ぐ8位(11月14日現在)と成長著しい。今週、キャプテンを務めるグレッグ・ノーマンからも「New Young Star」と紹介されるなど、将来を嘱望されている。
このデイとバデリーが、初日、2日目のダブルス戦でコンビを結成。ともに初出場、ホームで意気揚々と迎えた初日はしかし、ホロ苦い結末だった。1つのボールを交互に打ち合うフォアサムのフォーマット。互いの息はピタリと合い、16番を終えて2UPのリード。だが、17番でボギーを叩き1UPに詰め寄られると、最終18番ではバデリーがティショットを大きく右に曲げて3オン。デイが約8mを外してボギーとし、土壇場で追いつかれ勝ち点1を失い、デイは頭を抱えしばし唖然としていた。
だが、切り替えの早さも若さゆえの強さか。「僕たちは楽しんでいるよ。僕たちにかかったホコリを払って、また明日プレーしたいね」とデイ。迎えた2日目、再び同じコンビで臨んだ2人の相手は、タイガー・ウッズとダスティン・ジョンソン。1UPのリードで奪い、再び接戦の中で最終18番を迎えた。この日は、互いに別々のボールを打って良いスコアを採用するフォアボール。バデリーが確実にパーをセーブし1UPで勝利を収め、前日の雪辱を見事に晴らした。「タイガーとダスティンとの戦いはハードだったけど、チームに自信と希望を与えられたと思う」(バデリー)。
明日の3日目、午前中のフォアサムマッチも同じペアとなったデイとバデリー。組み合わせが決まる前に、「明日も同じチームだったらハッピーか?」との問いに、2人は「もちろんだよ」と口を揃えた。2日目を終えて劣勢の世界選抜だが、2人は1.5ポイントを獲得して大きく貢献。年齢も近く、意思の疎通もしやすい若手コンビが、後半戦もチームを牽引する。(メルボルン/塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。