2015年 ホンダLPGA

世界1位リディア・コーがタイにいないワケ

2015/02/27 21:20
今週は母国ナショナルオープンへ(写真はオーストラリア女子オープン時)

昨季3冠のステーシー・ルイスが貫禄を見せ、朴仁妃(韓国)やフォン・シャンシャン(中国)ら世界ランク上位も顔をそろえる。今週の米国女子ツアー「ホンダLPGAタイランド」のフィールドは厚いが、大切な1人が欠けている。そう、現在の世界ランク1位、17歳のリディア・コー(ニュージーランド)だ。

先週の「ISPSハンダ オーストラリア女子オープン」で米ツアー通算6勝目を飾ったコーの向かった先は、“微笑みの国”ではなく母国のニュージーランド。欧州女子ツアーとオーストラリア女子ツアーが共催する「ニュージーランド女子オープン」に参戦している。

コーにとってはもちろん母国のナショナルオープンだが、賞金総額は20万ユーロ(約2675万円)で、「ホンダLPGAタイランド」の150万ドル(約1億7800万円)には遠く及ばない。「ホンダ-」の優勝賞金22万5000ドル(約2680万円)よりも少ないくらいだ。

なぜ、この試合に出るのか?と問われたコーは答えている。「この試合をプレーするのはいつも楽しみ。今回で6度目だけど、いつもすごく良い経験をさせてもらっている」。12歳で初出場して以来、過去5大会で優勝1回、トップ20を外したことは一度もない。

世界ランク1位となった称号を背負っての初凱旋でもある。

「一番クールなのは、どこにいっても子供たちが歩いてきて『憧れの選手です』とか『私のロールモデルです』と言ってくれること。私自身まだ18歳にもなっていないジュニアだけど、自分は特別だって感じられるし、もっと一生懸命やらないといけないという気持ちになる。みんなを奮い立たせることができるのが、気持ちいい」

次週は、シンガポールで再び米国女子ツアーに舞い戻る。

タイ人選手の話を熱心に聞く高校生たち

タイに話を戻すと、大会主催者のホンダ・オートモービルは開幕前日、地方に住むジュニアゴルファーの高校生22人を招待して、プロによるレッスン会や、出場するタイ人プロとの交流の場を設けていた。

2日目を終えて3位につけるツアールーキーのアリヤ・ジュタヌガンも、数年前まではこの大会で米ツアー選手たちを憧れの目で眺めていた1人だ。

あとに続くものを刺激し、勇気付けようとするのはいずこも同じ。だが、17歳のコーの言葉には驚がくした。

「フィールドには若い子たちも出ているし、私も少し古い人間の部類のような気がするわ」(タイ・チョンブリ/今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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