上田も“切れた”・・・同伴競技者が大ゲンカ
「いやあ、最悪でした」とは、ホールアウトした上田桃子の第一声。「ホンダLPGAタイランド」の3日目。前半アウトは2バーディで折り返し、12番で3つめのバーディ。快調にスコアを伸ばしていたが、13番から6ホールで4ボギーを叩き、一気にオーバーパーへ。実は上田、この後半にまったく予期せぬトラブルに巻き込まれていた。「同伴の2人が、いきなりケンカを始めて・・・」。
同伴するキャロライン・ヘドウォルとフリエタ・グラナダのキャディは、それぞれ母親が務めていた。グリーン上の動きなど、細かい部分で双方の選手それぞれフラストレーションが溜まっていた予兆はあった、と上田は言う。そして、13番で受けたスロープレーの警告が契機となり、互いの感情が爆発した。
14番のセカンド地点で、ティショットを曲げたヘドウォルがフェアウェイに出そうとしたところ、前方にグラナダの母親がプレータイム短縮のために先んじて歩測を行っていた。そこで、怒気をはらませたヘドウォルの言葉に対してグラナダが応戦。「私のお母さんに、なんてことを言うのよ!」。
2人の言い合いは続き、最終的にはコース上で泣き出してしまう始末。険悪な状態はホールアウト後まで続き、上田は「こういう雰囲気は初めて。疲れちゃいました」と声を落とした。
「今日は心を静かに、落ち着いて回ろうと思っていた」というプラン通りの前半から一転、周囲の喧騒により集中力を切らされる展開へ。双方のキャディからは詫びの言葉を受けたというが、本当に泣きたかったのは上田の方だったろう。「調子は良いので、明日は頑張りたい」と気持ちの切り替えに努めていた。(タイ・チョンブリ/塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。