昨年は号泣 服部が挑んだリベンジ
昨年の「樋口久子 森永製菓ウイダーレディス」2日目は、服部真夕にとって悪夢のラウンドとなった。首位タイからスタートしながら「81」とまさかの失速。予選カットラインに2打届かず予選落ちを喫し、アテスト用のテントで号泣。しばらくの間、テントの外に出ることもできなかった。
初日首位から予選落ちを記録したのは、女子ツアーでは3年ぶり7人目。その引き金となったのは、スタートから間もない序盤の3番ホールだった。ティショットを左に引っかけてOBとし、痛恨のダブルボギーから一気に暗転。流れを立て直すことは最後まで叶わぬまま、失意の18ホールを終えた。
1年を経て、再び同じ舞台に戻ってきた今週。14位タイという好位置で2日目を迎え、「去年の自分とは、もう違うと思ってコースに入った。(去年のことは)頭をよぎったけど、“できる”と思ってプレーしていた」と、自らに言い聞かせていたという。師事する岡本綾子の言葉にも勇気づけられた。「昨日(状態を)見てもらって、“いいじゃん”と言われて。その言葉を頭に入れながら」。スタートホールをバーディ発進とし、2番はパーセーブ。そして、3番のティショットを迎える。
前組との間隔が詰まりティグラウンドで数分ほど待たされ、「変なことを考えさせられた」と不安を必至に抑えながら放ったティショットは、フェアウェイセンターへ。2打目をピン奥3mにつけ、会心のバーディへと繋げた。その後も流れを切らさず、多くの選手が強風に手こずる中で、3バーディ、1ボギーと2つ伸ばしてホールアウト。通算4アンダーの6位タイに浮上し、「だいぶ、ホッとしました」。昨年とは対称的な表情で、安堵のため息を吐き出した。
首位とは4打差、まだ逆転も狙える位置で迎える最終日。昨年大会について「いろいろな経験をして、もっと強くなれるんだと思って」と、前向きに捉えて日々を過ごしてきた。その結実は、今大会で手にする勝利に勝るものはないだろう。(千葉県市原市/塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。