「毎日浮上」の小田孔明 賞金王獲りへ上々の序盤戦
圧倒的な力を誇示した松山英樹が海を渡り、2014年シーズンを迎えた国内男子ツアー。開幕前から賞金王獲りの本命候補と目されてきたのが小田孔明だ。新シーズンの国内開幕から3戦は、いずれも目立って優勝争いには絡んでいないものの、密やかに実力を発揮し続けている。前戦「中日クラウンズ」を終えた段階での平均ストローク69.28は全体1位。今のところ全試合でトップ10入りを果たしているが、ラウンドごとの順位の推移が、なにせ特徴的だ。
【2014年シーズン 小田孔明の順位の推移】
大会名/順位・1R→2R→3R→FR
東建ホームメイトカップ/55位 → 37位 → 11位 → 3位
つるやオープン/25位 → 19位 → 11位 → 9位
中日クラウンズ/56位 → 13位 → 9位 → 5位
以上のように、毎日必ず順位を浮上させてホールアウト。そして今週の「関西オープンゴルフ選手権競技」も、初日38位から2日目に6位へ浮上。3日目は4バーディ、1ボギーの「69」をマークして通算10アンダーとし、最終日を前に首位の藤本佳則とは4打差の「3位」と迫った。
もともとは、ツアー通算6勝がすべて、最終日を首位(タイ含む)からスタートしたもの――で有名な“逃げ馬”。開幕から続く上々の仕上がり具合からは、初日、予選ラウンドで出遅れなければ…という見方も出てくるが、小田本人は悠然としたものだ。「2年に1回はこういうペース。去年は初日が良くて、だんだん下がっていった。今年は追い上げやな…という感じ。普通にゴルフしてるだけだけどね」
毎ラウンドの目標はシンプルだ。どんなコースでもまずは「69」を目指し、悪くてもイーブンパーでまとめること。今のところ「中日クラウンズ」初日に「72」(パー70)を叩いた以外は、オーバーパーがない。「それは(難易度の高い)日本オープンも含めてね。それが上位で戦うことになるし、トップ10を続けていれば優勝もできる」と、コースとの戦い、自分との戦いに集中している。
「前は良く試合を捨てていた。優勝できないと思ったらすぐに…。でも、とにかくトップ10を続けていくことが賞金王につながっていくはずだと思う」。ただこれも、自身がいまゴルファーとしての“旬”を迎えていることが分かっているからに他ならない。「あと2年くらいしか、ガッと集中してできないと思ってる。その間に賞金王を獲りたい」。秀でた安定感の裏には、強い覚悟が込められている。
【今大会 小田孔明の順位の推移】
関西オープン/38位 → 6位 → 3位 → ?
さて、結果は?(兵庫県西宮市/桂川洋一)
■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw