2012年 タイランドゴルフ選手権

躍進するアジアンゴルフとタイの精鋭

2012/12/06 10:07
タイゴルフの象徴、トンチャイ・ジェイディ。今大会を見ても、タイゴルフ界の盛り上がりが分かる。(提供:アジアンツアー)

「タイランドゴルフ選手権」開幕を翌日に控えた12月5日は、タイ・プミポン国王の85回目の誕生日。バンコク市内のホテルで原稿を書いていると、窓の外からは盛大な花火の音が聞こえてくる。テレビはどのチャンネルも、誕生日を祝う行事の中継。そんな祝賀ムード一色のタイでは、ゴルフもまた花開こうとしているようだ。

昨年に続き、2度目の開催となる今大会。そのフィールドには、世界ランク6位でディフェンディングチャンピオンのリー・ウェストウッド(イングランド)を筆頭に、今年のマスターズを制したバッバ・ワトソン、さらにはチャール・シュワルツェル(南アフリカ)、ニコラス・コルサート(ベルギー)、セルヒオ・ガルシア(スペイン)、ハンター・メイハンダレン・クラーク(北アイルランド)、ジョン・デーリーといったビッグネームが顔をそろえた。もちろん、日本からも藤田寛之石川遼池田勇太など、総勢12名が参戦している。

「この時期に、昨年に引き続いて豪華なメンバーで開催できるということは、タイでの試合が魅力に満ちているという証拠だろう」とウェストウッド。

それを迎え撃つタイ勢は、現在アジアンツアーの賞金レースをリードするタワン・ウィラチャイら。「(最終戦の)次週も大きな試合だから、上位5位の選手が翌週勝てば、その人が賞金王になれる。あまり先のことは考えずに、自分のゴルフをするだけだよ」と、謙遜しながらも、05年以来の賞金王獲得に向け、地元の期待は高まっている。

また、先週のアジアンツアーで初優勝を果たしたアーノルド・ウォンワニ(23歳)は、早速バッバ・ワトソン石川遼組へ。年初のQTから今年のアジアンツアー参戦を決めたシンデレラボーイのプレーにも注目だ。

ウォンワニが目標とするタイの英雄、トンチャイ・ジェイディも今シーズン最後の試合をここで締めくくる。メジャー2勝のジョン・デーリーに、「次にアジア人としてメジャー優勝をするのは、トンチャイだろう」と言わしめた実力は健在だ。

ついでに言うと、先週行われた米女子ツアーのファイナルQTでトップ通過をしたのも、モリヤ・ジュタヌガンというタイの選手。韓国がけん引するアジアゴルフ界の中で、タイは着実にその存在感を増してきている。(タイ・チョンブリ/今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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