金メダリストの英国ローズが凱旋帰国
スウェーデンのヘンリック・ステンソンとの死闘を制し、2016年リオオリンピック男子ゴルフで金メダルを獲得した英国のジャスティン・ローズがヒースロー空港に降り立ち、母国凱旋で歓待を受けた。
112年ぶりにオリンピック復帰を果たしたゴルフ競技初日に歴史的なホールインワンを達成したローズは、「全英オープン」王者に2打差で勝利し、表彰台の真ん中に立った。
誇らし気に金メダルを首から下げた36歳のローズは、帰国したロンドンでファンとメディアに囲まれると、無理からぬ饒舌でオリンピックの経験について語った。
「もうだいぶ前からエキサイトしていたんだ。選ばれる位置につけているかどうか、ずっとランキングも注目していたから、オリンピアンとしてリオに降り立った際は、人生で一度の経験として物事にあたったんだ」。
オリンピック精神を両腕でしっかりと受け止めたローズは、他のスポーツのアスリートたちに囲まれ、国を代表してプレーする経験から多くを学んだと明かした。
「正直言って圧倒されたよ。想像以上の経験だったし、もちろんオリンピックで金メダルが獲れたのは、極めて刺激的なことだよ。長年、この栄誉に授かる偉大なるアスリートたちを見てきたわけで、それは自分のスポーツの壁を超越するような感じとなるのは分かっていたからね」。
「オリンピックは世界中のスポーツファンを惹き付けるものだけど、それはスポーツファンだけには留まらないんだ。国中が自分の後押しをしてくれていることに気付いた。それってめちゃくちゃすごいことだよね」。
試合は、最終日の17ホールを終えた時点で、メジャー王者のローズとステンソンが通算15アンダーで並ぶという、ゴルフファンにとってはこの上ない展開となった。だが、ローズは「ヘンリックは親友だから、とても難しいことになるのは分かっていたんだ」と語り、必ずしもそうでなかったようだ。
「(勝負において)彼から何かを与えてくれることはないからね。『アイスマン』なんてあだ名がつくにはそれなりの理由があるんだよ。あの日、キャディが言ったんだ。『今日はステンソンに打ち勝たないといけないぞ』とね」。
「僕らはとにかく集中を切らさず、できる限りハードにプレーをした。その結果、決着は最終ホールまで持ち越しとなったんだ。僕の神経にとっては良いものじゃなかったけれど、初めてオリンピックで脚光を浴びることになったゴルフにとっては最高だったね」。
ローズは彼のキャリアで初めてユニオンジャックが掲揚され国家が流されたメダル授与式について、「非現実的な瞬間だった」と表現した。
「正直言って、現地(リオ)で競技をしていると、母国でどれだけ声援を受けているかは分からないものなんだ。でも、それって半ば意識的なもので、一歩引いた目で見てしまうと、どれだけ大きなことをしているのか気付いてしまうので、競技をしているときは、自分のスポーツに集中したいからね」。
「でも、それを実行に移してやり遂げることができると、何かを達成し、金メダルを獲ることができる。そこで、そのことのインパクトの大きさを認識するんだよ。携帯は鳴りっ放しだし、長年音信不通だった人たちからもメールがきているくらいだからね。それだけ影響があるわけで、とんでもなくすごいことになっているよ」。