勝負師ハリントンがポルトガルで連覇狙う
今週の「ポルトガルマスターズ」でタイトル防衛に臨むパドレイグ・ハリントンは、競技ならではの雰囲気に包まれている。
昨季はドムペドロビクトリアGCでのスリリングな最終日の末、46歳のハリントンはアンダース・ハンセン、ミッコ・コルホネン、そしてアンディ・サリバンらの挑戦を退け、1打差で優勝を遂げた。
アイルランドのハリントンは7月の「アバディーンアセットマネジメント スコットランドオープン」で、3日目に「79」を叩いて後退するまで再び優勝争いに絡み、未だ勝負師の本能を失っていないことを自ら確認するに至った。
「今年は怪我のため、競技でのプレーが少し足りていないのは確かなところ」と述べたハリントン。「今は少しコース練習が多すぎるので、木曜の朝にやるべきことを絞り込んで、しっかりと考えながら調整しなければならない」
「木曜に朝に上々のスタートが切れて、日曜にチャンスのある位置につけることができれば、プレッシャーのかかる状況にも簡単に対処できるし、集中力も鋭く研ぎ澄まされるのは分かっているからね」
昨年は最終日に「65」をマークしたハリントンは、メジャー3勝の貫禄を見せつけ、8年振りのヨーロピアンツアー制覇を果たした。
それは世界中で成功を収めてきたハリントンにとって、ツアー15勝目にあたり、スコットランドで4位に入ったことで、まだ若手にも引けを取らない競争力を見つけ、どの勝利も軽んじることはない。
「すべての勝利は重要だ。自分が思うような頻度では勝てないから。僕は優勝をエンジョイするし、勝てたときはしっかりと祝福するようにしている」とハリントン。
「優勝するのは素晴らしいものだ。僕は大体1年に1度ぐらいの頻度で勝っている。優勝するためには多くを注ぎ込まなければならないし、負けて苛立つ週も多くある。混乱して間違ったことをしでかすことだってあるから、勝てたときはしっかりとエンジョイしなければならないし、僕は勝利から多くを得てきたんだ」
2016年大会、17番でバーディを奪い、サリバンに1打差をつけたハリントンは、最終ホールのティショットでは安全なショット選択で池をクリアしながらも、2打目をグリーン回りの深いラフへ打ち込んでしまった。
これにより、彼を追う選手たちにボギーを献上する可能性が生まれたかに見えた。ここで2度の「全英」王者はチップショットを1.2mに寄せ、タイトルを決めるパーセーブを遂げたのだが、実はこのルートは最初から決められていたのである。
「あのショットは鮮明に覚えている。知ってのとおり、接戦でエキサイティングな大会だったよね」
「最終ホールへ来た僕は、池とラフを避ける“守り”のティショットを打ち、そして2打目も賢いショットだった。というのも、自分のショートゲームが良いのは分かっていたから。自分にとっては大きな強みなんだ。僕はショートゲームの力で生活しているし、あの日は一日中とてもいい感じだったから、右へ外してチップショットで寄せてパットを決めて勝つという考えに対し、とても自信を持っていたし、実際に上手く行ったからね」