アブダビにマキロイらオールスターキャストが登場
今週の「アブダビHSBCゴルフ選手権」で2016年シーズンを始動させるロリー・マキロイ。現「レース・トゥ・ドバイ」王者の彼はアブダビの地で、大会デビューを果たすジョーダン・スピースとの世界の覇権を巡る戦いを再開させることになる。
ヨーロピアンツアーのデザートスイング第1戦には錚々たるフィールドが集結する。何しろ、8人のメジャー優勝者、89人のヨーロピアンツアー優勝者、6人のヨーロピアンツアーナンバーワン経験者、そして5人の世界ナンバーワン経験者が、11季連続での開催となる総額270万米ドルの大会で覇を競うべく、アブダビGCへ降り立つのである。
マキロイは昨年11月にお隣のドバイで開催された大会を最後にヨーロピアンツアーには出場していないが、彼はそこで「DPワールドツアー選手権」制覇と「レース・トゥ・ドバイ」制覇の二冠を達成し、再び見事なシーズンを成功裏に終えたのである。
同大会はマキロイにとってドバイでの4勝目だったが(彼は2012年の「DPワールドツアー選手権」も制しているほか、「オメガドバイデザートクラシック」でも2勝を挙げている)、北アイルランド出身の彼は、まだアブダビでは勝利の美酒を味わっていない。とはいえ、昨年彼はパー3の15番ホールでプロとして初のホールインワンを達成し、この地で新たな金字塔を打ち立てているのだが。
マキロイは過去8回出場しているこの大会を11位以下で終えたのはわずか1回とあって、昨季を締めくくった際と同様のパフォーマンスを2016年シーズンのスタートでも発揮することに自信をみなぎらせていることだろう。
特筆すべきことに、マキロイはこの大会で4度2位に入っている。直近の2位は昨年の大会で、この時はフランスのガリー・スタルが、最終日にドイツのマルティン・カイマーとの8打差を大逆転し、驚きのヨーロピアンツアー初優勝を達成している。
2008年、2010年、そして2011年にこの大会を制しているカイマーは、9番のダブルボギーと13番のトリプルボギーにより大会記録となる4勝目の望みが断たれることとなった。仮にカイマーが今大会で4勝目を飾ることになれば、彼はヨーロピアンツアーの同一大会で4勝以上挙げた選手として、彼の友人にして師匠であるベルンハルト・ランガーの仲間入りを果たすことになる。
カイマーは2007年の大会デビュー以来、「アブダビHSBCゴルフ選手権」では目覚ましい成績を残している。かつての世界ナンバーワンである彼は、これまでのアブダビGCでの計32ラウンドを通算104アンダーでプレーしており、平均ストロークは実に68.75を記録しているのである。
スピースはこれまでヨーロピアンツアーのレギュラーイベントへの出場経験はないが、2週間前のハワイではセンセーショナルなパフォーマンスを披露し、ヨーロピアンツアーメンバーのパトリック・リードを8打差で退けて「ヒュンダイトーナメントofチャンピオンズ」を制覇しているとあって、テキサス出身の彼がデビュー戦で勝利を飾ったとしても決して驚きではない。
同大会での彼による通算30アンダーという優勝スコアは、彼にとってのプロ最高スコアだっただけでなく、米PGAツアー史上2人目の快挙だった。
スピースの同胞で「ライダーカップ」のチームメイトでもあるリッキー・ファウラーも、昨年のデビューに引き続きアブダビ再訪を果たすことになる。世界6位のファウラーは最後に出場したヨーロピアンツアーのレギュラーイベントである「アバディーンアセットマネジメントスコットランドオープン」では優勝を飾っている。
豪華ラインナップを形成する今大会のフィールドには、この他にもこの大会で2回2位に入っている世界5位のヘンリック・ステンソン、先週の「ユーラシアカップ」でキャプテンとして欧州チームを優勝に導き、「ライダーカップ」でもキャプテンを務めるダレン・クラーク、「WGC HSBCチャンピオンズ」王者であり、今季開始からヨーロピアンツアーメンバーとなったラッセル・ノックスらが名を連ねている。