首位モリナリが好調を持続
ウェントワースクラブで開催されている「BMW PGA選手権」は2日目を終え、スロースタートからの巻き返しに成功したイタリアのフランチェスコ・モリナリが1打差の首位で大会を折り返す展開となった。
出だし3ホールで2つのボギーを叩き、初日に築き上げた2打差のリードが水泡に帰したモリナリだったが、残りの15ホールを5アンダーで回り、初日の「65」に続き、この日のラウンドを「69」として通算10アンダーまでスコアを伸ばした。
終盤に猛チャージをかけ、この日のベストスコアに並ぶ「64」で2日目をラウンドした韓国のアン・ビョンフンが2度の「ライダーカップ」出場を誇るモリナリとの差を1ストロークまで縮め、3位タイには通算8アンダーでエミリアーノ・グリージョとトンチャイ・ジェイディーがつけている。
過去にこの大会では3年連続トップ10入りを果たし、先週の「スペインオープン」では、優勝したジェームス・モリソンに続く2位に入ったヨーロピアンツアー3勝のモリナリは、「とても満足している」と述べた。
「出だし3ホールはトリッキーだった。そこそこのプレーはできたと思う。1番と3番ではチッピングがそこまで良くなかったのでパーをセーブできなかった。何とか体勢を立て直し、終盤は幾つかバーディを奪うことができたから良い一日だったよ」。
「勿論、昨日から少しだけスコアを伸ばせたことに喜んでいるし、これを継続するのみだ。ここ数ヶ月、自分が如何にハードに練習に取り組んできたか分かっているだけに、その成果がコースで現れているのを見るのは良いものだ」。
昨季チャレンジツアーからの昇格を果たした23歳のアンは、今季既にトップ10入りを3度記録しており、見事なルーキーイヤーを送っている。
そして彼はウェストコースを8バーディ、ノーボギーでラウンドし、首位から僅か1打差で大会を折り返した。
「パーオンは17回あり、グリーンを捉え損ねた際も、ショットは良かったのですが、僅かに外してしまいました」とアン。「今日はショットがキレていました。実際、9メートル以上のパットはありませんでしたので、全てのパットがバーディチャンスでした」。
グリージョは12番でバンカーショットをカップインさせると、パー5の最終18番では255ヤードの2打目をピンそば数十センチに寄せ、タップインでイーグルを奪った。
「この瞬間をエンジョイできていますし、良いプレーをして優勝争いに加わるのが僕の目標です。このまま(優勝の)扉をノックしつつければ、やがて誰かかが開けてくれるはずです」とグリージョ。ヨーロピアンツアー初制覇を狙う彼は、直近の3大会では11位、3位、6位と好成績を残している。
「プロ転向以来、ずっと優勝を目指していますし、もうじき達成できると思います。優勝争いの渦中では色々なことが起こりますので、しっかりと準備ができていなければなりません」。
「良いプレーをしていると確実に自信がつきますし、毎週リーダーボードに自分の名前があるのは良いものです。今週はビッグな週です。ヨーロピアンツアーのフラッグシップ大会ですので、(自分が勝てれば)最高の勝利になりますね」。
アン同様、ノーボギーでのラウンドとなったジェイディーは6つのバーディを奪って2日目を「66」でラウンドし、その1打後方の5位には通算7アンダーで先週の勝者モリソンがつけ、更に一打後方の6位タイにはロバート・カールソンとミゲル・アンヘル・ヒメネスのベテラン勢が続いている。
一方、前回王者のロリー・マキロイは、ウェントワースでの“いつもの”パフォーマンスに戻ってしまい、ここ4年で3度目の予選落ちを喫した。
「WGCキャデラックマッチプレー」を制し、「プレーヤーズ選手権」では3年連続のトップ10入りを果たし、先週はクエイルホローで7打差の勝利を飾っているマキロイはここ4週間で3つ目の栄冠を狙っていた。
しかしながら、世界ナンバーワンは2日目に「78」を叩いてしまい、通算5オーバーで大会を終えた。
「余り深く考えないようにするよ」とマキロイ。
「ある地点を境にスコアが崩れるのが避けられないものとなってしまった。またウェントワースではいつも通りの自分に戻ってしまったようだ。去年勝つまでは散々だったし、勝った後も良くなっていない」。
「タイトル防衛に臨む時はいつだって勇敢に戦いたいものだけど、今週はそんなプレーが全くできなかった」。
「怒ってはいないよ。週末もここへいられないのが少し残念なだけなんだ」。
「この結果から何かプラス要素を見出すとしたら、それは週末の2日間、精神的にリフレッシュできるということだね」。